今年最多の人出に 4連休のシルバーウィーク 4日で1カ月分の来館も

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多くの人出があったシルバーウイーク。城下町の商店街では歩行者天国のようになる時間帯もあった=2020年9月22日午後1時13分、兵庫県丹波篠山市二階町で

4連休となった今年のシルバーウイーク(19―22日)―。全国各地の観光地と同様、兵庫県丹波篠山市の城下町地区なども観光客であふれかえり、今年一番の人出となった。地域の商店などは、「普段より多いとは思っていたが、予想以上だった」と軒並み今年最高の売上を達成。一方、新型コロナ禍の中で、誰もがマスクを着け、出入り口で手指消毒をする「新しい観光」のスタイルを受け、「これまでなかった感染対策などの業務をプラスしての、この人出だったため、かなりの負担だった」と振り返る。また、「黒枝豆など秋の味覚が本番を迎え、ハイシーズンとなる10月の週末も同じ状況になるかも。対策を継続して迎えなければ」と気を引き締める。

篠山城大書院などを管理する一般社団法人ウイズささやまによると、大書院には4日間で計3256人が来館。歴史美術館、安間家史料館、青山歴史村を合わせると、計7270人となった。

昨年9月は7953人、一昨年8月は7096人で、わずか4日でおよそ1カ月分の来館があったことになる。

最も人出があったのは21日。大書院には815人の来館があり、1日の来館者数としては、過去15年で最多レベルという。県のガイドラインが改訂され、19日以降は入場制限が解除されたことも来館者数を伸ばす要因となった。

市が同法人に委託しているお堀の観光ボートも連日140人を超える乗船があった。

同法人は、「団体がほとんどなく、個人が大半。家族連れが多かった。密を避けるために都会ではないところを選ばれたのかもしれない」と言い、「個人が多い分、名前と電話番号を記入してもらったりする作業が多く、スタッフはヘロヘロになった。うれしい悲鳴ではあるが」と話した。

◆食材なくなり閉店 客が「県内」“申告”

大正ロマン館でも、土産物などを求める人で行列ができた。入り口に置いているアルコール消毒液は急速に減り続け、補充を繰り返したという。

運営する株式会社アクト篠山は、「マスク着用や消毒など、かなり感染予防の意識が浸透していると感じた」と言い、「味まつりが中止となり、黒枝豆シーズンの10月がどうなるかと思っていたが、例年と同じかそれ以上の人出があるかもしれない。これ以上できることはないが引き続き、感染対策を徹底したい」とした。

飲食店「三代目 豆乃屋」も連日客足が途絶えず、仕込んでいた食材がなくなり、午後1時には閉店。「ありがたいことではあるけれど」と前置きしつつ、「ソーシャルディスタンスを目的に空席をつくっているため、来てもらっても7割ほどは断った。けれど『そこ座らせて』と言う人がいて、そのたびに説明しなければならず、精神的にも疲れた」と苦笑いする。

また、客が自ら「県内からです。県外ではありません」と言ってくることもあり、「お客さんもいろいろ気にされていたようだ」と振り返る。

◆自粛の揺り戻しか 「何とも言えない」

ユニトピアささやまにも宿泊やアスレチックなどを目的に多くの人が訪れ、満車になることもあった。

レストランや浴場が密になることを避けるために空室を作っているが、「実質、ほぼ満室」。団体はほとんどなく、家族連れや小グループがメイン。大阪、神戸方面からの客が多かったという。

想定外の人出に急きょ、交通整理を行うなど、これまでにない負担があったものの、「久しぶりににぎやかになった」と言い、「GoToキャンペーンの影響もあり、食事のランクをアップされるなど、単価が上がっている」と話した。

復調を見せる観光。ただ、ある店主は、「これまで自粛してきた揺り戻しが一気に来た印象。だが、中にはマスクを着けていない年配の人もおり、大声で声を掛けられたときには、消毒液をかけたくなった」と憤り、「うれしいような、困るような。何とも言えない状況」とした。

丹波篠山観光協会の堀成志会長は、「たくさんの人出があり、経営者としてはうれしいと思うが、従業員には県外の客を見ると『怖い』と思う人もいると聞く。もし、このシルバーウイークで感染が広がれば、分かるのは10月に入ってから。希望的観測を持ちすぎるのも怖い」と言い、「大事なことは、オンラインを使って丹波篠山に来なくても良い商品を提供できるようにすることと、市内の人の購買を活性化させること。これまでのように『来るのを待っている』ではいけない。今だからこそできることを啓発していきたい」と気を引き締めている。

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