感染対策し修学旅行 一度は延期も「同意書」得て実施 人少なく「貸切みたいだった」

2020.09.08
ニュース丹波市地域地域

一列で二条城二の丸御殿へ進む児童。観光客がほとんどいない=2020年8月28日午前8時44分、京都府京都市中京区で

兵庫県丹波市内小中学校のトップを切って、船城小学校6年生12人がこのほど、1泊2日で奈良・京都の修学旅行を楽しんだ。例年はない同意書を保護者から得るよう旅行社と教育委員会から要請・助言があり、児童12人全員の同意書を得て実施した。新型コロナウイルスの感染拡大で一度は延期した旅行が予定通り実施でき、学校関係者は「無事、思い出をつくってやれた」と、ホッとしている。

事前に「できるだけ距離をあける」「手で触れず目で楽しむ」「こまめな手洗い・消毒」「おしゃべりはひかえめに」など、「あたらしい旅行のスタイル」を学び、移動中に車内で行うレクリエーションは取り止め、静かに過ごした。

トイレ休憩、観光(法隆寺、東大寺、清水寺、東本願寺、二条城、金閣寺、東映太秦映画村)、みやげ店など、建物に入るときはアルコール消毒、バス乗車前にも必ずアルコール消毒をした。合わせて熱中症対策として、1人2リットルずつ分の飲み物をバスに積んでいった。

観光地には個人旅行客がいるぐらいで、修学旅行客はほとんどおらず、インバウンド客は目に留まらなかった。どこも空いていて、混雑する場面はなかったという。旅館も、他の宿泊客がなかった。

昨年も同じルートで同行した畑中啓太校長は、「バス会社も、観光地も最大限の対策をされていた。消毒用アルコールはありとあらゆる所にあった」と言う。清水寺の「音羽の滝」は、ヒシャクを使えず、滝の水が飲めなくしてあり、東大寺は、大仏殿の「柱の穴くぐり」が板でふさがれていた。映画村は刀に触れたり、火打石体験を休止していた。

畑中校長は「旅先の人混みが気になると思う。旅行社が、観光客が少なく見どころがある観光地をよく知っているので、これから旅程を組む学校は相談しては」と助言する。

同小の男子児童は、「世界遺産が貸切みたいだった。人の少なさにコロナを実感した。とっても楽しかった」と笑顔だった。

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