「誠実」大切に市政運営を 林市長が所信表明 「労惜しまずかじ取り」

2020.12.17
ニュース丹波市地域地域

「子どもたちに『帰って来いよ』と言えるまちづくり」を掲げ、所信を表明する林時彦市長=2020年12月14日午前9時40分、兵庫県丹波市氷上町成松で

「新型コロナウイルス対策として全市民に5万円給付」などを選挙公約に掲げ、全国的に注目を浴びる兵庫県丹波市の林時彦市長がこのほど、同市議会本会議で市政運営に対する所信を表明した。自身が掲げる「子どもたちに『帰って来いよ』と言えるまちづくり」の実現に向け、市民に寄り添った行政サービスや子育て・移住支援、雇用の創出など、3つの柱を重視するとし、「大好きな丹波市への誇りを胸に、労を惜しまず全身全霊で市政のかじ取りに取り組む」と決意を述べた。要旨は次のとおり。

重視する3つの柱の1つ目は「市民に寄り添った行政サービス」。市民が誇りを持って「帰って来いよ」と言えるためには、第1に市民自身の生活が安全安心で、暮らしやすいことが大切。そのため、例えばごみの減量化や、市の生物多様性、美しい自然環境の保全に市民総がかりで取り組むことと合わせて、ごみ袋の値下げができないか。

医療・福祉サービスを利用しながら安心して住み慣れた地域で住み続けることができるよう、デジタル技術の活用や、利用しやすい快適な公共交通体系の構築に取り組めないかなど、今までの制度を市民目線で再点検し、持続可能な財政運営に配慮しながら行政サービスの向上を進める。

2つ目は、「子育て支援・移住支援・雇用創出」。子育て世代に「丹波市は魅力的だ」と感じてもらうための政策として非常に重要。子育て世代をはじめ、誰もが暮らしやすい環境づくりにつながるよう取り組む。

3つ目は、「帰ってこいよ」「帰ってきたい」と声をかけ合える人づくり。これは、市内25地区それぞれの魅力を生かした地域づくりと、次世代を育む保育・教育の推進によってなされるものだろうと考える。住民自治組織と行政とが一体となって活力ある地域を創っていくことはもとより、自治体同士や、大学・企業などとの連携を図ることで互恵関係を築き、活躍・交流人口を増やす。

次世代を育む保育・教育も重要。13の民営認定こども園という統一的で他市にはない優れた保育環境や、本年度から整備しているGIGAスクール環境などを生かし、こども園・学校と地域で、学ぶ楽しさと地域の魅力を感じながら、確かな学力と生きる力が身につく保育・教育を進める。

私が目指す「子どもたちに帰って来いよと言えるまちづくり」は、シンプルだが、究極の目標であり、市の総合力が試される。市民生活を守る安心安全なまちづくりや、元気で暮らせる健康づくり、地域経済を支える小規模事業者の支援や産業振興、風土を生かした農林業の振興などに知恵と工夫をもって取り組み、しなやかで足腰の強い丹波市を目指す。

いま市民生活にとって最も重要なのが、新型コロナウイルス感染症対策だ。対策には「恐れすぎず、されど侮らず」の姿勢で、▽感染症の予防▽市民生活の安定▽地域経済の再活性化▽ポストコロナ社会への対応―の4つの方向性で取り組む。基礎自治体である市が特に重視すべきは、市民生活の安定だ。生活影響をできる限り緩和し、市民に寄り添う対策をできるだけ早く市民に届けられるよう取り組む。

コロナの影響は、私たちの暮らしに有形無形の変化を及ぼしつつある。ただこの変化は恐れるべきものではなく、これまでの市政運営を見直す好機だ。ここ数年の間に起こる更なるデジタル化の波は、私たちの働き方、これまでの行政サービス、市民ニーズに対応する行政組織や庁舎のあり方を見つめ直すきっかけとなるだろう。

私は「誠実」という言葉を大切にしている。この言葉は、かつて私が経営していた会社の社是でもあったが、私に迷いがあるとき、今は亡き母が「時彦、お天道様が見とってやで」と言ってくれたことで、「誠実に、ちゃんとすることはしよう」と心に誓って以来、私の座右の銘となった。市政運営に当たっては、簡単に答えが見つからない日々もあると思う。そのようなときこそ、市民の声に耳を傾け、市の発展、市民の幸福のため、本当に市民のためになることは何かと、真摯に課題に向き合わなければならない。そして、行政のプロフェッショナルである職員と心を合わせ、答えを形にしていかなければならない。

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