「市の鳥」ツバメとカワセミに 益鳥や清流イメージで 環境に目を向けるきっかけに

2021.01.22
地域自然

選定委員会が市の鳥の候補に選んだツバメとカワセミ

兵庫県丹波篠山市の「市の鳥」の選定委員会(委員長=酒井隆明市長)の3回目の会合がこのほど、同市役所で開かれ、市民からのアンケート結果や委員の意見を受け、「ツバメ」と「カワセミ」にすることを決めた。正式には市議会の議決が必要で、2月にも提案する。

昨年10月23日―12月21日に市民を対象に募ったアンケート調査や、小学生を対象にした調査(総回答者1708人、応募票数3169票)では、1位がツバメ(605票)、2位がカワセミ(584票)、3位がウグイス(566票)、4位がサギ(432票)だった。

結果をもとに委員で議論し、ツバメについては、「なじみがあり、農業の役に立つ益鳥でもある。子育てする姿を通して、小さな命について考えるきっかけになる」とした。越冬のために一時期いなくなるものの、また戻ってくることから、「市のふるさとに『住もう・帰ろう運動』にもつなげられる」などの意見が出た。

カワセミは、「非常にきれいな鳥で、源流・清流、自然が豊かなまちの鳥にふさわしい。水辺の再生に取り組んでいる市の施策とも合致する」などの声があった。

市秘書課によると、いずれも県内では市町の鳥になっていない(新温泉町はイワツバメ)。全国ではツバメが約10件、カワセミが約40件ある。

副委員長の酒井達哉・武庫川女子大准教授は、「議論を通して、私たち自身も身近にいる鳥に敏感になった。これからいかに市民のみなさんに2つの鳥に関心を抱いてもらえるか。決めて終わりではなく、これから育てていき、本当の市の鳥になるように取り組んでほしい」と話していた。

市の鳥選定は、市民からの提案を受け、鳥を通して自然環境に目を向けることを目的に議論した。

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