「もう一つの家に」 障がい者デイサービス開設 民家を改装し

2021.03.25
地域

「みずほの家 マザーハウス」の利用者とスタッフらと、短期入所施設の利用者が記念にしたためた「母」の文字=2021年3月5日午後1時36分、兵庫県丹波篠山市東吹で

兵庫県丹波篠山市で障がい者福祉事業を行う株式会社「みずほ」(山中信人社長)がこのほど、障がいのある人の生活介護事業所(デイサービス)「みずほの家 マザーハウス」を同市東吹に開所した。改装した民家を活用した施設で、名の通り、利用者にとっては「もう一つの家」のような雰囲気が特長。地元だけでなく近隣市からの利用もあり、にぎやかに、穏やかに日中の時間を過ごしている。

18歳以上が対象で、営業時間は月―金曜日の午前9時45分―午後3時45分。

利用者は健康チェックの後、個性に応じて習字やパン作りなどの創作活動や、福祉的就労としての生産活動、音楽療法やアートセラピーなどを行う。昼食やティータイムもあり、日中の居場所を提供する。

食事や排せつ、入浴、投薬など、生活と健康管理全般の介助・支援も担う。

同社は2015年、北新町に山中社長らの元自宅を改装した短期入所施設「みずほの家」を開設。17年には隣接地にグループホーム「ななつ星」、一昨年には短期入所施設「ひこうき雲」(東吹)を開設している。新施設は「ひこうき雲」と同じ建物で、日中の開いている時間をデイサービスとして活用する。

障がい者福祉事業を始めたきっかけは、生後間もなく重度の脳性麻痺となり、09年に24歳の若さで亡くなった山中社長の妹、瑞穂さんの存在。家族が瑞穂さんと過ごした経験から、「障がいのある人も、その家族もくつろげる時間を」とさまざまな施設を開設してきた。

短期入所などで家族と接する中、日中の居場所を求める声があったことや、医師や看護師の配置も必要なデイサービスを運営することで、事業者として、またスタッフも「さらなるレベルアップを」とデイサービスを開設することにした。

副施設長の桐山美和さんは、「楽しく過ごしてもらい、それぞれの個性にあった輝きのお手伝いができれば」と話している。

関連記事