地元を挙げて中森投手応援 入団のロッテとスポンサー契約 「大使」にも就任「自然、景観広めたい」

2021.04.30
地域

市が活躍を願って贈る地元産コシヒカリ1年分のプレートを手にする中森投手(球団提供)

兵庫県丹波篠山市はこのほど、同市出身の中森俊介投手が入団したプロ野球・千葉ロッテマリーンズと地域連携事業のスポンサーシップ契約を結んだ。今年7月にはロッテ球団主催の公式戦で、「日本農業遺産認定記念 丹波篠山市 黒豆ナイター」と銘打った冠試合を実施する予定。PR映像を大型ビジョンで流したり、特産品の物産コーナーを設けたりして、来場者に市の魅力を発信する。また市は中森投手に、丹波篠山を広くPRする「丹波篠山ふるさと大使」就任の委嘱状も交付した。

市は、中森投手を応援すると同時に、関東圏へ向けて丹波篠山をPR。ロッテの球団ホームページやSNS(交流サイト)などを活用して情報発信する。球団が千葉県外の市とスポンサーシップ契約を結ぶのは初めて。

黒豆ナイターは7月6日午後6時から、ZOZOマリンスタジアム(千葉県)で行われる福岡ソフトバンクホークス戦。「ワンデーゲームスポンサー」(1試合330万円)として実施する。

球場ビジョンなどで市のPR映像を流すほか、試合前には同球団のチアリーダーが丹波篠山伝統の踊り「デカンショ節」を踊ったり、球場内コンコースで特産品などをPRするブースを設置する。観戦チケットと特産品を返礼品にしたふるさと納税も募る。試合開始前のファーストピッチセレモニーは市民が行う予定で、今後希望者を募集する。

また同試合を観戦する市民30人に1人2万円を補助する。5月中に旅行社が参加者を募り、6月上旬に決定する見込み。

オンライン調印式でスポンサーシップ契約を締結した千葉ロッテの河合克美代表取締役オーナー代行兼球団社長と、酒井隆明市長=2021年4月22日午後3時44分、兵庫県丹波篠山市北新町で

オフシーズンには野球教室などで、同球団から選手を派遣し、子どもが触れ合える機会を設ける。

市のふるさと大使は、スポーツ選手では中森投手が初。市は中森投手の活躍を願い、地元産コシヒカリ1年分(450キロ)を贈呈する。

協定はオンラインで調印式を行った。ロッテの河合克美代表取締役オーナー代行兼球団社長は中森投手について、「今年じっくりと体をつくれば、来年の早い段階で活躍できる体力と技術を持った選手。常勝軍団を担っていく一員になってくれるのでは」と期待。「丹波篠山の観光に貢献できるよう、中森投手と共にもり立てていきたい」と話していた。

酒井隆明市長は「市民はみんなロッテファン。今年の優勝を期待している」と話し、「中森投手は私たちの期待の星。大きく成長できるよう育ててほしい」と伝えていた。

中森投手は、「丹波篠山ふるさと大使」に委嘱されたことを受けてコメントを発表。「マリーンズファンの皆さん、丹波篠山市民の皆さん、いつも熱いご声援をありがとうございます」と感謝し、「正式に丹波篠山市のふるさと大使に任命いただき光栄に思います。ふるさと大使として、僕の生まれ育った丹波篠山市の豊かな自然や美しい景観を広めていきたいです。皆さんの期待に応えられるように頑張ります」と抱負を語った。

中森俊介(なかもり・しゅんすけ)右投げ、左打ち。182センチ、88キロ。福住小学校時代に地元の「多紀野球少年団」に入団。その後、篠山東中学校では軟式野球部に所属し、3年夏からは硬式野球チーム「三田ボーイズ」でもプレー。明石商業高校では、1年夏からベンチ入りを果たし、4度甲子園に出場。2年時は春夏共にエースとしてチームを4強に導いた。ストレートの最速は151キロ。球種はスライダー、カーブ、スプリット、チェンジアップ、カットボールなど。昨年のドラフト会議で千葉ロッテマリーンズからドラフト2位指名を受けた。

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