「コロナじゃないみたい」 秋迎え観光書き入れ時 受け入れ先やきもき「怖さはある」

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観光客の車でいっぱいになった「道の駅丹波おばあちゃんの里」(画像の一部を加工しています)=兵庫県春日町七日市で

新型コロナウイルスの感染拡大を身近に感じる中、兵庫県丹波市では市を代表する秋の味覚「丹波栗」の販売が始まり、書き入れ時が始まった。昨秋はコロナが落ち着いていたほか、観光喚起策として政府のGoToトラベル、GoToイート、県の観光キャンペーンなどがあり、丹波地域は恩恵を受けた。今年はこれらはないが、ワクチン接種が進んでいる。都会に近い田舎、丹波市は期待と不安を抱えながら、紅葉が終わる11月末まで、味覚販売と観光のハイシーズンが続く。

昨秋、丹波市の観光入込客は増えた。マイカーで家族、友人と近くに出かけるマイクロツーリズムの訪問先として人気を集めた。

舞鶴若狭自動車道・春日インターチェンジそばにある「道の駅丹波おばあちゃんの里」は休日になると多くの買い物客でにぎわう。野原正章支配人は「来店客は解放感があふれている。ワクチン接種が進み、お客さんは『もうコロナじゃない』みたいな雰囲気になっている」と苦笑いする。

10月は例年一年で最もにぎわうが、昨年は対前年比140%増と、開業以来最高の売り上げを記録。土、日曜は駐車場の空き待ちの車で周辺道路が混雑した。

人気の焼き栗の販売が始まったことに合わせ、警備員を入れ、交通整理を始めた。野原支配人は、「異常だった去年ほどでないだろう。おととしまでのにぎやかな丹波の秋に戻るのでは」とみる。10月になると、甘みのある熟成栗、丹波黒枝豆の販売が始まる。

コロナ対策としては、スタッフにワクチン接種を勧奨し、自衛に努めるほか、店内の密を避けるため、人気の黒枝豆は物産館の外で販売するという。

丹波栗生産者の山本浩子さんが営む「ヒロちゃん栗園DE八百屋さん」は、栗の季節は定休日なしで営業している。栗を買いたいという問い合わせが多く、来店客も増えている。丹波の魅力をPRする機会にと、店内に機(はた)を置き、丹波布を織るところを見てもらっている。

感染対策は「これまでしてきたことを続けるくらいしかない。良い案があれば教えてほしい」と言う。

栗販売を事前予約制にしたにもかかわらず、「足立栗園」には飛び込み客が立ち寄る。「栗の皮むきはするけれど、実の販売は10月から。『まだ準備中』と、いがに入った栗を見せている」と言う。予約制にしたのは、自宅倉庫の臨時店舗の滞留時間を短縮する感染対策。屋外だが、よりリスクを下げようと、1台だった大型扇風機を2台に増やした。「怖さはある。家族やスタッフがウイルスをもらわないように気をつける」と言う。

菓子店「夢の里やながわ」は丹波栗と丹波産の原料にこだわった人気の「和のモンブラン」の販売を始めた。昨年同様、店内の混雑の様子を見ながら入店制限を行っている。昨年は開店前から駐車場が満車になるなどし、今年は新たに臨時駐車場を借りた。

柳川拓三社長は「丹波の秋の味覚は広範囲のお客さんに期待されている。従業員を抱える会社としては、コロナや交通安全対策をしっかり講じて、売り上げの数字は取っていきたいのが本音」と話した。

市観光課は市独自の誘客策として、市外から市内へのバス旅行に3万5000円、宿泊を伴う場合は4万5000円の助成を用意。市内宿泊で1人1泊2000円引き、買い物クーポンも付く「旅トクキャンペーン」を始めたが、県がまん延防止等重点措置区域や緊急事態宣言区域になり休止中。同課は、「誘客策は打てていないが、観光客は来るだろう。コロナの感染状況次第というところがあり、人出の予測は立てづらい」と話す。

11月を中心に、市観光協会が展開する「丹波もみじめぐり」は昨年の期間中、一昨年より1割多い9万8000人の入り込み客があった。

今秋のキャンペーンの準備を進めている市観光協会の足立はるみ事務局長は、「今年も去年同様に来られると思っている。屋外でゆっくりできる。案外近いし、安らぎを求めて来られる人が多いのでは」と期待している。

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