「蟻の宮」に巨大アリ像 伝承「見える化」 高座神社に小寺さん寄進

この記事は約2分で読めます。

「蟻の宮」の象徴となる蟻像を寄進した小寺さん(右端)と、製作者の渡辺さん(左端)=2021年11月20日午後4時10分、兵庫県丹波市青垣町東芦田で

干ばつ時にアリの行列の導きで水源を見つけ、村が救われた伝承からアリをまつる石碑があり、別名「蟻の宮」と呼ばれる兵庫県丹波市青垣町東芦田の高座神社に金属製のアリ像1体が奉納され、入魂式が20日、営まれた。古来伝わる伝承を、像を通して後世に伝えていく。

同神社の筆頭総代を務めた小寺昌樹さんが寄進した。境内の鳥居脇に、1939年に建立された「蟻乃宮」の石碑があるものの像はなく、アリと神社の関係は、紙芝居による口伝で伝えてきた。一目見て伝わるようにと、像の奉納を10年以上前から考えていたところ、神社近くの芦田集学校(旧芦田小学校)で昨年、美術家の渡辺恭成さん(59)=京丹後市=が美術講座を開講。国内外で作品が高く評価されている渡辺さんに制作を引き受けてもらうことができた。

像は全長70センチの大きなもの。渡辺さんは、図鑑や実物をとらまえ、じっくり観察。特定の種を再現するのでなく、抽象性を持たせようと、アリと近縁のスズメバチも参考に、「シンプルかつ真摯に」(渡辺さん)鍛造で制作した。

水をもたらした言い伝えにちなみ、石碑そばの池に設置。池囲いは、氏子の芦田喜三郎さんが寄進した。

像の完成後、入魂式を開くまでの間に、小寺さんは妻の朝子さんを亡くした。式には遺影を抱いて参列。「長年の願いがかなった。妻も喜んでくれていると思う。高座神社のますますの弥栄を祈る」と万感の思いを込め、あいさつした。

アリが導いたと伝わる水源は、同神社の北西約80メートルにある。龍王水神社としてまつっている。同神社は、多産のアリにちなみ、子授け祈願を行っている。

タイトルとURLをコピーしました