夢叶えるには「計画的な努力」 北京五輪陸上代表の竹澤さん 小学生にアドバイス

2021.12.10
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児童たちに走るときの姿勢の大切さを説明しながら一緒に走る竹澤さん=2021年12月2日午前11時49分、兵庫県丹波篠山市日置で

兵庫県丹波篠山市の城東小学校に2日、北京五輪の陸上5000メートル、1万メートル日本代表、竹澤健介さん(35)が来校し、4年生以上の66人を前に、夢をかなえる“秘訣”を語ったり、グラウンドに出て長距離の走り方を指導したりした。五輪選手やパラリンピック選手を学校に派遣し、子どもたちのスポーツへの関心を高める県の事業。

竹澤さんは姫路市出身で、現在は大阪経済大学陸上部ヘッドコーチを務める。報徳学園高校から早稲田大学へ進み、箱根駅伝で区間賞を取るなど活躍。大学4年時に北京五輪に出場した。

中学で陸上を始め、報徳学園に進学。当時の故・鶴谷邦弘監督について、「いつも笑顔の人だったが、陸上に関しては厳しかった。『お前は真面目そうに見えて不真面目』と言われたことがある。当時は意味が分からなったが、『みんなと同じことをやっていても駄目。自分で考え、工夫して努力しなさい』ということが伝えたかったんだと今なら分かる」と語った。

同小6年生に鶴谷監督の孫、大我君が在籍しており、「丹波篠山は、高校時代の県駅伝大会で走ったことがあり、監督のお孫さんとも出会えた。この縁に感謝し、すごくうれしい」と話した。

五輪については、「考えもしていなかったが、憧れだった早稲田大の選手となり、箱根で区間賞を取った。次の目標を考えたときにポッと出たのが五輪出場だった」と言う。同五輪で5000メートルは予選落ち、1万メートルは28位。「自分が思っている以上に世界のレベルは高かった。もっとやれたのではないかという悔しさの反面、満足感もあった。結果は残せなかったが、すごい経験をさせてもらった」と振り返った。

夢をかなえるポイントとして▽達成できそうな目標を立てる▽目標に向けて計画的に努力する▽人よりもちょっとだけ努力する―の3点を挙げた。「まずは冬休みの宿題を、少しずつ計画的にやってみてほしい。夢をかなえる練習にして」と呼び掛けていた。

陸上教室では股関節を鍛えるトレーニングをしたり、走るときの姿勢の大切さをアドバイスしたりしていた。鶴谷大我君は「自分のおじいちゃんのことが知れて良かった。(竹澤さんが)高校時代に毎日30キロ走っていたと聞いて驚いた。今度のマラソン大会で去年より順位を上げたい」と話していた。

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