町並み配慮の施設に知事賞 高さ抑え、漆喰壁など採用 「入所者も元気に」

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施設の外観。高さを抑え、屋根の多彩な造りが特徴=兵庫県丹波篠山市福住で

兵庫県丹波篠山市福住の介護老人福祉施設「やまゆりの里」が、県が環境と共生する優れた建造物などを表彰する「人間サイズのまちづくり賞」のまちなみ建築部門で、最高の「知事賞」を受賞した。同施設は、有限会社「才本建築事務所」が、国の重要伝統的建造物群保存地区(伝建地区)に指定されている周囲の町並みに配慮して設計。建物の高さを抑えつつ、いぶし瓦の屋根や漆喰の壁を採用した外観などが評価された。

同施設は社会福祉法人「福住山ゆりの里」が運営。南約700メートルにあった旧施設から、昨年9月、旧福住小学校跡地内へと新築移転した。木造2階建て(東棟のみ平屋)で、延床面積は約3770平方メートル。

賞状を手に、受賞を喜ぶ「やまゆりの里」の首藤施設長(左)と、設計した才本代表

伝建地区で建築する際に求められる▽切妻造の屋根を維持する▽灰色の日本瓦を使用▽壁は漆喰―などの制限を考慮した。平屋が多い同地区内の住宅に合わせ、建物の高さは2階までにとどめた。切妻、入母屋、腰屋根など、屋根の造りにも多彩に変化を持たせている。

床や手すりなどの内装には県内産の木材を使用。個室の引き戸は古民家から収集したもので、利用者に懐かしさや安らぎを感じさせる。中庭や、陶芸や日曜大工が楽しめる工房など、共用スペースも充実している。

施設の内装。県内産木材を使用した温かみのある空間になっている

設計を手掛けた同事務所の才本謙二代表(65)は「大変名誉で誇らしい」と喜び、首藤風施設長(48)は「普段は車いすに乗っている入居者の方が、積極的に洗い物や料理をされるようになった。入所後、元気になっている様子が目に見えて分かる」と話していた。

また、まちづくり活動部門では、同市内で子育て支援事業に取り組んでいる「おとわの森子育てママフィールド・プティプリ」が、次点の「奨励賞」を受けた。スタッフの原田舞さん(40)は、「今までの活動が評価されてうれしい」とほほ笑み、「子育てのうれしいことも、つらいことも共有できるような場に」と願っている。

同賞は1999年度に創設。「まちなみ建築」のほか、「まちづくり活動」「花緑」の3部門で表彰。応募のあった87件のうち、審査委員会による審査を経て、知事賞11件、奨励賞12件を決めた。まちなみ建築部門では同施設を含め4件が知事賞を受けた。

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