”じわじわ”きてる! モルックで地域おこし 「みんな楽しい」が魅力

2022.03.05
地域

モルックを体験する地域住民=2022年2月27日午後2時38分、兵庫県丹波市市島町喜多で

スウェーデン発祥のスポーツ「モルック」で地域おこしをしようと、兵庫県丹波市内の有志が体験会を開き、市内でじわじわ人気を広げている。木製の棒を的に当てて得点を競う競技で、年齢や障がいの有無に関わらず一緒に楽しむことができ、体と頭を使いつつ技術と運にも左右されることから、初心者と経験者が対等にプレーできる。このほど、同市市島町のグラウンドで体験会が開かれ、初めは「そのスポーツ、面白いんかいな」といぶかっていた参加者も、プレーを重ねルールを理解するごとに盛り上がり、ナイスショットには手をたたいて喜んだ。

モルックに親しむ三澤孝夫さん(60)と足立誠子さん(46)が、「丹波モルック協会」を立ち上げようと計画している。体験会などを通じて、少しずつ裾野を広げている。共に競技歴は1―2年と浅いが、それぞれ大会に出場したり、職場の仲間と楽しんだりしている。

番号付きのスキットルは12本あり、並べ方も独特

モルックの魅力は「誰でも楽しめるところ」と三澤さん。転がして投げることも可能なことから、子どもやお年寄り、障がいがある人らも共にプレーできる。また、道具は木製のため、「仲間内で楽しむくらいなら間伐材を利用して自作できるし、木材が豊富な丹波市にはうってつけでは」と話す。基本的に屋外でプレーする競技のため、コロナ禍でも楽しめるという。

足立さんは、かわいらしい絵を描いたモルックを自作。「木製なので、木と木が当たった時の音が、爽快感があっていいですね」と笑う。

同日、市島町喜多自治会でイベント運営などを担う教化部役員を務める三澤さんが、足立さん、同県三田市の三田モルック協会長の梅澤豊和さん(46)と共に、喜多自治会住民にモルックを紹介。今後、自治会行事としても楽しめるスポーツとして提案した。

地域住民15人ほどが参加し、3チームに分かれて楽しんだ。ゲームが進むにつれて点数を頭に入れながらのプレーとなり、「頭使うなあ」などと口々に言い合い、仲間と相談しながら和気あいあいと進めた。初めてプレーした男性(49)は、「穏やかなスポーツだけれど、終盤は少し緊張感もあって楽しかった」と笑顔だった。

三澤さんは、「新年度いっぱいで、(地域内にある)鴨庄小学校が閉校する。校舎活用として、モルックやボッチャなどが楽しめるようにできれば」と話している。

近く協会を立ち上げ、フェイスブックなどで体験会の日程を知らせる。

【モルック】木製の棒「モルック」(長さ22・5センチ、200グラム)を下手で投げ、3・5メートル先にある木製のピン「スキットル」(12本、高さ15センチ)を倒す。スキットルには番号が付いており、倒したスキットルが1本ならその番号、2本以上なら倒れた本数が得点になる。先に50点ちょうどに到達した人が勝ち。50点を超えると、25点に戻ってプレーする。3回連続でスキットルに当たらなければ失格となる。

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