青垣町佐治に「福よせ雛」誘致 衣川百合香さん(丹波市柏原町柏原)

2022.03.20
たんばのひと

衣川百合香さん

孫ターンしまち活性化

丹波市青垣町佐治の空き家を改修し活用する、NPO法人佐治倶楽部の会員。自身が発起人になり、佐治市街地に誘致した「福よせ雛」(27日まで開催中)に、連日大勢の見物客が訪れている。

「佐治のまち歩きをしてもらう趣旨がハマった」と喜びつつ、「遠方からの観光客だけでなく、地元客が佐治を見直してくれたことが、いっそううれしい」と声を弾ませる。用事がなく、長く足が遠のいていた青垣町内の人が「久しぶりに佐治に来た」、出身が青垣の人は、「何もないと思っていた故郷でこんな素敵な催しが」と喜んでくれた。会期が始まってから、「うちも飾る」と、参加する商店が出てきたことも喜び。「いいイメージが発信できた」

神戸市出身。佐治は父親の故郷。「よくおばあちゃん家に泊まりに来ていた」。にぎやかだった頃の佐治の記憶がある。繭から生糸を引き出したり、水量豊かな佐治川で魚捕りをして遊んだ。まちがさびれていくのを年おうごとに感じていた。

長く都内で暮らしている間も、毎年墓参に訪れていた。7年ほど前、菩提寺の住職との世間話で「佐治倶楽部」を知り、応援したい気持ちから、都心に住みながら入会。「活動をそばで見たい」と、3年前に丹波市に孫ターンした。

祖父は、元県会議長の衣川退蔵氏、叔父は元青垣診療所長の衣川昇氏。同NPOが再生した、雛人形の展示会場の一つ「衣川會舘」は父の生家で、自身の本籍地。毎月末に同NPOが開く「サジイチ」の会場でもあり、買い物客が集まるにぎわいの拠点だ。
「人が集まる家だった。先祖も『良かった』と言ってくれていると思う」

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