農福連携研究で博士 丹波市出身の尾松さん 「共生社会の土台」

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農福連携について調査研究し博士の学位を受けた尾松さん(提供)

兵庫県丹波市市島町出身の尾松数憲さん(75)=京都府宇治市=がこのほど、愛媛大学大学院連合農学研究科から博士(農学)の学位を授与された。学位論文のタイトルは「農福連携における協同組合の役割」。障がい者や高齢者らが農業に従事することで社会参画をする「農福連携」について調査、考察をした。尾松さんは「農福連携にはJAの役割が大事。同時に自治体や地域のいろいろな団体のネットワークづくりが農福連携を支える力になる。そんな取り組みが広がりつつあることを調査研究を通して痛感しました」と話している。

尾松さんは大学卒業後、京都生協に入り、常務理事などを務めた。現在、大阪府立農業大学校常勤講師、JA京都やましろの経営アドバイザーなどを務めている。協同組合の理論や福祉政策について学ぶため、2002年から2年間、京都府立大学大学院福祉社会学研究科に在籍した。

19年、愛媛大学大学院に入学。愛媛県はかんきつ類の生産が盛んなことを背景に、障がい者らの雇用に積極的で、農福連携の先進事例が多いことから同大学院で学ぶことにしたという。

調査では、愛媛県内にある全ての12のJAをはじめ、高知、香川、滋賀、和歌山の各県、京都府などのJAに調査票を配布。JAの農福連携の取り組みを調べ、JAの果たすべき役割などを考察した。

また、聴覚障がい者の就労を支援する場として開所し、今は聴覚障がい者や精神障がい者、知的障がい者らが農作業などに励んでいる京都府京田辺市の「さんさん山城」などで就労実態や心身の変化などを調査。農業を通して社会と接点を持ち、前向きに生活を楽しんでいる姿などを明らかにした。

尾松さんは、「農福連携は、豊かに暮らす共生社会をつくっていく土台になる。また農業から見れば、新しい担い手ができることになる。そうしたことを論文の作成を通して確認しました」と話している。

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