「とっておき」の音楽響く 3年ぶりの音楽祭に拍手 「笑顔の花広がって」

2022.04.28
地域

「とっておきの音楽祭」でそれぞれの音楽を披露する出演者ら=兵庫県丹波篠山市北新町で

障がいのある人もない人も一緒に音楽を楽しむ「第7回兵庫・丹波篠山 とっておきの音楽祭」がこのほど、兵庫県丹波篠山市の田園交響ホールを中心にした城下町一帯で開かれた。県内各地から44組のアーティストが集結。まちのあちこちで響くそれぞれの音楽に、訪れた人々は大きな拍手を送っていた。

「みんなちがって、みんないい」をテーマにした音楽祭は2001年に仙台市で始まり、全国各地に広がっている。丹波篠山市では、音楽祭の趣旨に共感した丹波地域の住民らが実行委員会を組織して開催している。

コロナ禍の影響で3年ぶりの開催となり、出演者を県内に限定したり、会場数を減らしたりして、規模を縮小した。

それでも各会場では誰もが音楽を声や楽器、あるいは全身で表現。会場も手拍子をするなどして、共に音楽を通した交流を満喫していた。

昨年亡くなった松本さんの追悼映像

ホールで開かれたフィナーレでは、手話歌のアーティストとして仙台や丹波篠山の同音楽祭などに出演し、昨年、病で逝去した松本千賀子さん(仙台市)の追悼映像などを上映。在りし日の松本さんのパフォーマンスと笑顔に涙を流す人もいた。

松本さんの夫、隆一さんは、「千賀子は、丹波篠山のとっておきの音楽祭が大好きだった。それは、ここでいろんな笑顔の花が見られたからだと思う」と感謝し、「千賀子の笑顔の花を見ることはできないけれど、千賀子は笑顔の種をここでも残した。芽が出てつぼみとなり、花咲くことによって障がいのある人もない人も、少しでも多くの笑顔が咲き広がる。どうかこれからもずっと丹波篠山のとっておきの音楽祭が開かれますように」と涙を浮かべた。

実行委員会事務局長の山中信彦さんは、「3年ぶりに開催できた。たくさんの人に来場してもらい、感染対策を守ってくださったことも、とてもうれしかった。来年も4月に開催を予定している。コロナが収まり、元の規模に戻せたら」と話していた。

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