故郷で古着屋開業 20代3人組「地元盛り上げたい」 米国バイヤーから仕入れ

2022.04.26
地域

古着屋「ルーツ」を営む(左から)翔一さん、吉田さん、飛祐馬さん=兵庫県丹波篠山市宇土で

兵庫県丹波篠山市宇土に、古着屋「roots(ルーツ)」がオープンした。同市内で生まれ育った20代3人組が営む。アメリカから買い付けた約1500着が並ぶ。代表の吉田勇希さん(29)=東吹、今田町市原出身=は「若者の遊び場にしたい」と言い、服への興味を問わず、気軽な来店を歓迎している。

吉田さんのほか、取締役の藤田翔一さん(29)=東吹=、店長の藤田飛祐馬(ひゅうま)さん(28)=今田町上小野原=が営む。吉田さんと翔一さんは篠山鳳鳴高時代の同級生、吉田さんと飛祐馬さんは今田中時代の先輩、後輩という間柄。

吉田さんと翔一さんが、地元を盛り上げようと、市内での開業を模索する中、市場調査から古着の需要が高いと踏んだ。2人ともアメリカ文化が好きで、アメリカの古着を取り扱うことに。大阪・堀江にある古着の買取・販売店で勤務した経験のある飛祐馬さんを誘った。

店名には「いつまでも子どもの頃の感覚のまま、自分らしく生きる」という思いを込めた。吉田さんは「ここでもうけたいという気持ちはない。僕たちも、来てくれた人も『楽しい』『面白い』と感じられる場所にしたい」と力を込める。

「リーバイス」や「パタゴニア」など、有名ブランドの古着も並ぶ

服は全て、アメリカのバイヤー(買い付け担当者)から仕入れている。学生でも手が出しやすい2000―5000円の価格帯を中心に設定。大阪などの都市部と比べ、テナント賃料や光熱費が安いため、商品を安価で提供できるという。今後、オリジナルブランドの立ち上げももくろんでいる。

店内の一角にはカフェスペースを設けた。吉田さんは「ご飯を食べたり、飲み物を飲んだりして、ゆっくりする場として使ってほしい。服を買わなくても大丈夫。学校帰りや仕事終わりにでも気軽に寄ってほしい」とほほ笑む。学校帰りの高校生の来店が多いという。

主に店頭に立つのは店長の飛祐馬さん。「前はお客さんが入れ代わり立ち代わりでせわしなかった。今は一人ひとりとじっくり喋れる。楽しい」と充実感をにじませる。「服に興味がない人でも、家にある服を何か持ってきてもらえれば、それに合わせてコーディネートします」と笑う。

市内ではカレー店や整体院、美容室など、同世代が続々と開業を果たしている。吉田さんは「刺激になっている。僕らの世代で切磋琢磨し、地域を盛り上げていきたい」と話している。

営業時間は午前11時―午後8時。不定休。

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