今に残る葉タバコの乾燥小屋 夏に火をたき「無茶苦茶暑い」 連載”まちの世間遺産”

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荒木さんが所有する葉タバコの乾燥小屋。「越屋根(こしやね)」と呼ばれる換気用の屋根が乗っており、温度管理用の小窓も付いている=2022年5月13日午前9時55分、兵庫県丹波篠山市草ノ上で

当たり前にありすぎるけれど、住民が大切にしていきたいもの「世間遺産」―。丹波新聞では、兵庫県丹波地域の人や物、景色など、住民が思う”まちの世間遺産”を連載で紹介していきます。今回は丹波篠山市草ノ上にある「葉タバコの乾燥小屋」です。

この小屋は、所有者の荒木明さん(85)一家が30年ほど前まで利用していた。同集落では最も多い時で18軒ほどの乾燥小屋があったというが、今はほぼ残っていない。「歴史を知る上で大切な財産」と15年前に改修し、その姿を残している。改修後の小屋では肥料などを保管している。

アメリカ原産の「黄色種」と呼ばれるタバコの葉を乾燥させるための、木造2階建ての小屋。夏場に収穫した葉を束ねて高さ10メートルほどの位置にある棚に置き、下部で80―100度ほどの火をたいて2日間かけて乾かす。乾かした葉は、同県加東市の収納所へ持ち込んだ。

「夏から秋にかけての仕事。無茶苦茶な暑さの中、葉っぱを背負って集める。燃やしている間は寝られないので、家族で交代して見守る」

荒木さんによると、減反政策や、喫煙者の減少とともに乾燥小屋は消滅していったという。「若い人たちはこうした歴史を知らないと思う。いつまでも残るものではないが、私の代では守りたい」

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