パリへ「筆文字ポエム」 詩を奔放な筆遣いで 「元気を得てほしい」

2022.05.22
地域

昨年、横浜で開かれた展覧会に出品した作品と加藤さん=神奈川県横浜市で(提供)

兵庫県丹波市の書道家、加藤恵美さん(50)が、6月14日からフランス・パリで開かれる「国際平和美術展」に書道作品を出展する。筆文字ポエムというジャンルの作品で、額にはめ込んだ和紙に奔放な筆遣いで自作の詩を書いた。すでに作品は搬出しており、開幕を待つのみになっている。「海外では、日本よりも書道の人気が高い。一人でもいいから、私の作品から元気を得てくれれば、うれしい」と話している。

国内外で展覧会を開催している会社「クオリアート」(本社・東京)の主催で昨年12月に横浜赤レンガ倉庫で開かれた展覧会に、「言魂(ことだま)」というタイトルの作品を出展した。額に入れた和紙に「ことだま」「文字はときに凶器となる。でもね たったひとことで命を救うこともできるんだよ。」と、筆が額縁にはみ出る勢いで書いた。来場者のアンケートで高い評価を得たほか、主催者からも評価され、今回の国際平和美術展の出展につながった。同展もクオリアートが運営に関わっている。

同展は、書道のほかに絵画、彫塑、陶芸、写真など日本全国の作家による約150点が並ぶ予定という。加藤さんは、のびのびと生きようというメッセージを込め、「枠にはまる人生なんてつまらない」と書いた。太さの違う3種類の筆を使い、書体も構図も既成の「枠」にとらわれず、一気に仕上げた。額に納めた作品で、額縁もキャンバスに見立て、カラフルに着色した。額を含めて72×70センチの作品で、額は夫の恵康さんが製作した。

「芸術の都と言われるパリで作品を展示できることになり、うれしいかぎり」と喜んでいる。

国際平和美術展は今回で30回目。これまでに20カ国30都市で開かれている。会期は6月14―17日と6月20―23日の予定。

加藤さんは、6月17日からスペイン・バルセロナの世界文化遺産であるサン・パウ病院で開催されるチャリティー版画展にも作品を出展する。

関連記事