丹波黒ごま生産組合長 荻野修一さん(丹波市春日町野村)

2022.05.01
たんばのひと

荻野修一さん

新規生産者獲得に尽力

つややかな深みのある黒色が特長で、「ビロードのよう」とも表現される黒ゴマを育て10年になる。組合長になって4年目。今年は36人の生産者を束ねる。生産者の減少や高齢化が課題になる中、新規生産者の獲得や栽培の省力化、技術共有を重視しており、組合の悲願でもある生産者100人、反収100キロ、生産量10トンを目指している。

元大工。栽培講習会に参加したことがきっかけになり、黒ゴマ栽培を始めた。「ひどく手間がかからず、できそうと思った。大きく育ちかけると、あとは割と楽だからね」と笑う。

組合長を引き受けた年、50人以上いた生産者は、次第に減少。天候不順による収量減が響いたほか、生産者の高齢化も顕在化した。「毎年5人ずつほど減った」と言い、自身の“任務”は新規生産者の獲得にあると捉えている。

同組合は以前から、草抑えのマルチ張りと、うね立て、種まきが同時にできる機械を導入し、2年前には収穫時に株を刈り取る機械3台を取り入れるなど、生産者の負担を軽減。7月末には全ほ場を巡回指導もしている。「近くの生産者同士で交流してもらい、意思疎通を図ることが栽培技術の向上につながる」と言い、組合としてのサポートを充実しつつ、それぞれの工夫による技術確立を促している。

今年1月には、新聞の発信力を活用し、生産者の栽培講習会を告知したところ、新たに6人の仲間が加わった。今年度の総会では、多く収量を上げた生産者に栽培の工夫を話してもらうなど、技術共有にも力を入れる。「作って良かったと感じてもらうことが大事。長い目で見て栽培してもらえれば」。71歳。

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