100年ぶりに修復へ 国重要文化財「薬師如来坐像」 経年劣化で親指脱落

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厨子の中から運び出された薬師如来坐像=兵庫県丹波市山南町谷川で

兵庫県丹波市山南町谷川の常勝寺に安置されている薬師如来坐像がこのほど、修復のため、京都国立博物館文化財保存修理所(京都市)に搬出された。鎌倉時代初期の作とされ、高さ77センチの寄木造。国の重要文化財に指定されている。前回の修復は1922年(大正11)で、ちょうど100年ぶり。修復には1年間を要するという。同寺の宮崎実康住職(57)は、「いろんな方々のお力添えで、きょうのこの日を迎えることができた。大変ありがたい」と感謝し、「修復作業を通じて、制作者や制作年などが分かれば」と期待を寄せている。

仏像は、左手親指が脱落しており、左肩にも亀裂が見られた。また、経年により、降り積もったちりやほこりによって汚れが目立ち、金箔も劣化していた。

脱落した左手親指

秘仏として境内の薬師堂に安置。33年に1度、御開帳を行い、地域住民の信仰を集めている。直近の御開帳は2013年。

年に1、2回、厨子の扉を開け、点検しているが、19年1月4日に点検した際、親指の脱落に気が付いた。

文化庁と県・市の文化財課、寺の関係者ら約10人が見守る中、公益財団法人美術院(京都市)の片山毅さんらが搬出作業に当たり、同修理所内の工房で修復作業を行う。

光背(高さ1・26メートル)、本体、台座(高さ34センチ)の順に厨子の中から運び出し、それぞれを薄葉紙や綿布団、さらしなどで厳重に梱包して屋外へ搬出した。

同寺総代の藤本武利さん(77)=同市山南町谷川=は、「薬師如来は現世での苦しみを取り除き、安泰をつかさどる仏様で、私たちの心のよりどころ。きれいになって無事に帰ってきてほしい」と願っていた。

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