最後まで支える 高齢犬トリミングに注力 「行き場失いかねない」

2022.07.03
地域

高齢犬や持病がある犬にもサービスを提供する高見さん=2021年6月19日午後5時22分、兵庫県丹波市氷上町本郷で

兵庫県丹波市本郷のトリミングサロン「Happiness Labo(ハピネス・ラボ)」(高見敦洋代表)が、高齢の小中型犬のトリミングに力を入れている。高見代表(37)によると、高齢犬は体調を崩すリスクもあることなどから、他店では受け入れが難しいと判断されるケースもあるが、「終生飼養」の観点から飼い主と愛犬をサポートする。「高齢犬の行き場がなくなるのは寂しく、飼い主に寄り添いたい。愛犬は家族の一員なので、最後までサポートできれば」と話している。

シャンプーやカット、爪切りなど、一般的なサービスを提供するが、高齢犬を安心させる目的で、トリミングに飼い主が付き添うこともできる。高齢でない小中型犬も受け入れ、柴犬サイズまで可能。スペースの関係で大型犬は受け入れられない。

これまで50頭ほどにサービスを提供したうち、5頭ほどは高齢だったり、ヘルニアなど持病を抱えていたり、気性が荒かったりで、他店では受け入れを断られた犬だったという。

今年1月、15年生きた愛犬「ルル」をみとった。高見さんがトリマーを志すきっかけになったルルは、ここ数年は悪性腫瘍に苦しんだという。「自分でトリミングしていたが、もし、他店で断られるようなことがあればつらかったと思う」と言い、行き場を失ってしまうことになりかねない高齢犬などのサポートに力を入れるようになった。

飼い主には、愛犬に施す簡単なトリミング技術の習得を推奨している。「犬の体を触ると、イボや腫瘍などに気付くことがある。病気の早期発見につながる可能性がある」と言い、ゆくゆくは器具を貸し出すレンタルスペースを設け、飼い主がトリミングできるような場を設けることを検討している。

トリミングサロンと同じ屋号で、イチゴの生産との二足のわらじを履く高見さん。「人に喜んでもらえるのがうれしく、そのための仕事がしたい」と話している。

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