高校野球の名将・長澤宏行氏 父の故郷、丹波篠山の指導者へ 甲子園出場の創志学園前監督「地域の活性化に」

2022.08.17
地域

丹波新聞の取材に応じる長澤宏行さん=2022年8月16日午後0時、兵庫県丹波篠山市内で

今夏の甲子園に出場した岡山県代表・創志学園の監督を退任した長澤宏行さん(69)が、父親の故郷などでゆかりのある兵庫県丹波篠山市の県立高校で指導する意向を示していることが分かった。同市が「市スポーツ振興官」の非常勤特別職として雇用を目指しており、議会の議決を得て、10月に着任する予定。契約期間は2026年3月まで。長澤さんは丹波新聞社の取材に、「選手が元気に野球をし、地域のおじいちゃん、おばあちゃんが見学に来て、地域の活性化になればと思う。最終的には甲子園出場を目指す」と話した。

市のスポーツ振興全般に関わるが、指導拠点先は県立篠山産業高校。今夏引退した3年生を除いた部員数は19人。今夏の甲子園の県予選では3回戦で、代表校となった社に敗れた。同校硬式野球部は創部1949年で、最高成績は県ベスト16。ほかに、市内のソフトボール指導にも携わる。

長澤さんの父が同市出身ということもあり、2005年から10年間、地元のソフトボール協会らが毎年、同市内で「丹波篠山・長澤ソフトボールキャンプ」を実施。近畿を中心に中学生約100チームが合同合宿し、長澤さんが指導や講演を行っていた。

長澤さんは、兵庫県の市立西宮高で硬式野球の野手として活躍。日本体育大学を卒業後、1976年―97年、兵庫県の夙川学院高ソフトボール部で指導。インターハイで「不滅」の5連覇を含む8回の優勝を果たした。96年にはアトランタ五輪女子ソフトボール日本代表のヘッドコーチを務めた。

2003年、鹿児島・神村学園高の硬式野球部創部時に監督に就任。わずか2年後の春のセンバツに出場を果たし、準優勝した。08年から2年間、環太平洋大学野球部の監督を務めた後、10年から創志学園硬式野球部創部時の監督に就任すると、翌春のセンバツ出場を果たした。今夏の甲子園出場を含め、春夏6回の甲子園に導いた。阪神タイガースの西純矢投手など、プロ選手を輩出した。

関連記事