まち一望の展望台 区有林に1人で施工 「午前中がよりきれい」

2022.10.01
地域

材料を提供し、自身で施工した伐採後の区有林の展望台から佐治のまちを見渡す足立智さん=2022年9月15日午前9時20分、兵庫県丹波市青垣町佐治で

兵庫県丹波市青垣町佐治の西側の山の斜面に展望台が整備され、まちが一望できると、評判になっている。山を背に、およそ200度の広角で見える。「太陽の加減で、午前中がよりきれい」と、設置した地元の足立智さん(77)は話している。

佐治区有財産のヒノキ山。急傾斜地で住宅に迫る木の倒木が怖いとの住民の声を聞き、2年前に約400本を伐採。「良くなった見晴らしを、生かさないともったいない」と、区有財産管理委員長の足立さんが展望台設置を発案。自身が営む工務店の鋼管を提供し、1人で施工した。

自宅に近く、子どもの頃、毎日のように登って遊んだ裏山。かつては愛宕神社、金毘羅神社があり、元プロ野球選手の佐々木恭介さんが相撲を取った土俵もあった。

旧青垣町時代に有志が一時、公園化。岩屋山への登山ルートにも組み込まれたが、誰も山に近づかなくなった。

「子どもや高校生が時々登ってくれているのがうれしい。高台から見ると、また違ったまちが見える。足腰が衰えないよう、私も散歩で登りたい」と笑っている。

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