不適格品を玩具に 保育園に無償提供 プラスチック再利用

2022.10.26
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幼児用玩具の「にじいろぶろっく」と土田翔大さん=2022年10月19日、兵庫県丹波市柏原町北中で

照明器具や自動車などに使われるプラスチック製品を製造している兵庫県丹波市柏原町北中の土田化学(土田光一社長)が、これまで産業廃棄物として処理していた不適格品を幼児用の玩具として再利用することを発案、県内の保育施設に無償提供することにし、希望する施設を募っている。同社4代目の土田翔大さん(28)が考えた。当面、11月中に申し込みを受け付け、希望する施設に土田さん自らが届けるという。「子どもたちがどんな反応をし、どのように遊んでくれるか見てみたい」と楽しみにしている。

高さが短い円柱の容器状をしたプラスチックで、外径13・2センチ、高さ3・7センチ、厚み1センチの大きさ。「にじいろぶろっく」と名づけ、7個を1セットにし、それぞれ赤色、オレンジ、黄色など虹色の7色に塗装した。丸みのある形なので安全に遊べ、シンプルな形だからこそ遊び方の発想が広がりそう。

樹脂を流し込んで成形する際に縞模様を生じることがあり、不適格品となる。年間で約900キロも発生し、やむなく廃棄していたが、再利用を模索した土田さんが今年4月にツイッターで活用方法を募集。40件を超える提案があり、子どもの遊び道具というアイデアを採用した。

大阪市や鳥取県内であった子ども向けのワークショップに提供し、子どもの反応を探った。「容器の形をしているので、水を入れて掛け合ったり、円形の底にアンパンマンの絵を描いたり、自由に遊んでくれました」と土田さん。子どもの喜ぶ姿に力を得て、保育施設に無償提供することにした。「にじいろぶろっく」の名前もツイッターで募集し、決めた。

土田さんは大学卒業後、農薬メーカーで営業職として働き、後を継ぐべく昨年10月、同社に入社した。

ひとまず11月中の申し込みの様子を見て、今後、年間を通して申し込みを受け付ける予定。年間で約730セットを生み出せる見込みという。

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