近畿最大の大イチョウ 26日に初のライトアップ 樹齢1300年「見たことない景色を」

2022.11.24
地域歴史自然観光

近畿地方最大の大イチョウで、関係者が参加して行われた試験点灯=兵庫県丹波市青垣町大名草で

推定樹齢約1300年、幹周りが11メートルある県天然記念物で、近畿地方最大の常瀧寺(兵庫県丹波市青垣町大名草)の大イチョウが26日、初めてライトアップされる。夜の闇に「近畿最大の黄色」を浮かび上がらせる。山道を30分ほど登った山中にある大イチョウまで、ランタンをともしてみんなで登るほか、登らずに麓から「見上げる会」も開く。主催の神楽自治振興会は、「地域の大切な物を多くの人に知ってもらいたい」と、参加を呼び掛けている。一夜限りのイベント。参加無料。

大イチョウの11月末の黄葉、落葉時の絶景は昔から地元では知られていたが、近年、ボランティアグループ「常瀧寺の大イチョウ再興プロジェクト」が黄葉時にイベントを開いたり、根を傷めないよう観賞用ウッドデッキを整備したりして世に出そうと取り組んでいる。同振興会も地元として、同グループだけでは実行が難しいライトアップに取り組むことにした。機材やイベント経費など、資金面を助ける。

このほど発電機と舞台用照明を運んで試験点灯を実施し、光の当て加減などを調整した。照明機材の調達、設営、照明オペレートを担当する谷卓磨さん(38)は、「どこから見ても、明々と見えるように照らす。心配なのは天気だけ。他は何も問題ない」と、準備万端整えている。

同プロジェクトの藤田元太さん(33)は、「いつかやりたいと思っていた。今年実現するなんて、皆さんのおかげ。どんなふうに見えるのか、とても楽しみ」と声を弾ませる。目賀多茂自治振興会長は、「登る人は、足元に気を付けて。リハーサルで、下からもきれいに見えたと報告を受けている。見たことのない景色を楽しみましょう」と話している。

ライトアップされた大イチョウを眺める関係者たち

同寺に午後5時集合。ランタン(LEDライト)を受け取り、同5時半登山開始。30分ほどで山頂に着く。登山道にも所々、明かりをともす。点灯式は同6時半。山頂で丹波市出身の小南由里加さんの弾き語り、けんちん汁の振る舞いがある。同9時まで点灯する。懐中電灯など照明器具の持参が望ましい。

「下から見る会」は午後6―9時、同自治会の「愛菜館おなざ」で。同施設近くからも、照らされた大イチョウが見える。ライトアップ現場から中継し、モニターにも映す。ここでもけんちん汁を振る舞う。大名草自治会が協力する。雨天中止。

「ビッグイエロー」の愛称で呼ばれる、青森県深浦町の日本最大の「北金ケ沢の大イチョウ」をはじめ、岡山県奈義町の「菩提寺の大イチョウ」など各地の大イチョウでライトアップは行われており、観光の呼び物になっている。

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