10月の観光客数最多更新 1カ月間で約70万人 秋の観光地として定着?

2022.11.15
地域観光

城下町を観光する人々=兵庫県丹波篠山市二階町で(2022年10月8日撮影)

兵庫県丹波篠山市は9日、今年10月の1カ月間に城下町地区を訪れた観光客数が、過去最多の約70万人だったとする推計値(標本調査)を発表した。同じ調査で昨年同月もこれまでで最も多い約60万人だったが、最多を更新した。

調査は、一昨年から同様の手法で市から依頼を受けた丹波篠山市観光協会が実施。毎週土、日曜と、火曜か水曜日の午前9時―午後4時までの間、大正ロマン館前(同市北新町)で1分間に視界に何人が入ったかをカウントし、60倍して1時間当たりの人数を割り出した。

調査していない曜日は平日の人数を当てはめて観光客数を割り出した結果、69万5750人となったという。

最も人出があったのは16日で、6万580人。8、9、23日も5万人を超えた。基本的に土、日が多いものの、平日も9600―1万5990人だった。今年の傾向として、どの時間帯でもまんべんなく人出があることや、昨年よりも出足は遅いものの、午後になっても減らなかったという。

市の観光情報ホームページの10月の閲覧数も、昨年は13万1000ビューだったが、今年は18万8000ビューまで伸びている。

市商工観光課は、約58万人だった一昨年からの流れがあり、黒枝豆をはじめとする味覚などが新聞やテレビに取り上げられ、メディアへの露出が増えたことなどにより、「秋の丹波篠山観光が定着してきた」と推測した。

近年の観光客増を受け、市は今年も舞鶴若狭自動車道丹南篠山口インターからの渋滞を回避するために、う回路を示した案内看板を設置したほか、城下町地区内に延べ144人の警備員を配置。また、商店街が歩行者天国ではないことを呼び掛ける注意喚起などを行った。

一方、駐車場が足りていないことや、昼食を食べる店が混雑していることから、同課は、「オーバーツーリズム(受け入れられる能力以上の観光客が来ること)気味になっている面もある」とした。

酒井隆明市長は、「多くの人にお越しいただきうれしい。観光に携わる人だけでなく、市民みんなの誇りや活性化、経済的な恩恵につなげていくことが重要」とする一方、「混雑緩和などの対策も考えていかないといけない。また、城下町だけでなく、市内全域に魅力を感じてもらえるようにしていきたい」とした。

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