携帯カイロをウクライナへ 厳寒の季節、電力不足の支援に 市が11月末まで寄付募る

2022.11.17
地域

ウクライナに携帯カイロを届けるため、市が設置している募金箱=兵庫県丹波篠山市北新町で

兵庫県丹波篠山市は、ロシアによる侵攻に苦しみながら厳寒の季節を迎えようとしているウクライナへの支援物資として「携帯(使い捨て)カイロ」を届けるため、30日まで市民から寄付金を募っている。集めたお金でカイロを購入し、ウクライナ大使館を通して現地に送る計画。ウクライナの避難者からの提案を具体化したもので、市は、「小さな支援かもしれないが、気持ちのこもったカイロを届けたい」と協力を呼び掛けている。

きっかけは10月に市内で開かれた会合。ウクライナ出身のナディア・ゴラル神戸学院大学客員教授が侵攻後の現地の状況報告の中で、冬を迎える現地では、エネルギー関連施設が破壊されたことで電力不足に陥っていることから、「身近な支援として携帯カイロの提供が喜ばれる」と話した。

ナディアさんの話を聞いた市民から提案を受けた市は、同国大使館にカイロの支援は有益だと確認した上で、今月10日から募金の受け付けを開始。募金の額によっては購入できる量が少数になる可能性もあるが、大使館からは、「少しでも支援いただけるとありがたい」と回答があったという。

購入するカイロは大使館から紹介があった人道支援に関わるボランティア団体に届け、12月中旬から1月初旬にコンテナ船で搬送する。大使館が使い方を翻訳した説明書を同封する予定。

コンテナ船の予定に合わせ、募金は短期間となったが、市は100万円を目標に設定。約6万個を届けたい考え。市によると、ウクライナからの避難者にカイロを提供している自治体はあるものの、本国への提供はあまりないとみられる。

滑り出しは順調で市地域振興課は、「カイロを購入するという目的がはっきりしているからか、多くの協力を頂いている。活動が全国に広まれば」と話す。「臨時回覧板」で地域に周知する自治会もあり、「本当にありがたいこと。市民の皆さんの優しさが感じられる」と喜んでいる。

物資を統一するため物品は受け付けていない。募金箱は市役所本庁舎や第2庁舎、各支所、市民センター、丹南健康福祉センター、中央図書館に設置している。

関連記事