家族に思い馳せ 20年ぶりタイムカプセル開封 濡れた写真や変色したボールも「歴史感じる」

2022.12.02
地域

 

タイムカプセルから取り出した収納物から当時の家族の気持ちを考え、思い出話に花を咲かせた開封式=兵庫県丹波市氷上町三原で

兵庫県丹波市氷上町の三原自治会(田原隆男会長、49戸)が11月23日、同区公民館で、共同墓地の完成を記念して20年前に埋めたタイムカプセルの開封式を開いた。密閉した金属容器の中は結露で底に水がたまり、収納物の多くがびしょ濡れ。期待とは違った結末を迎えたが、住民たちは、にじんだインクの写真に家族の姿を探し、手紙の一枚一枚を大切に扱い、20年前の家族の気持ちに思いをはせ、思い出話に花を咲かせていた。

 

濡れた写真にありし日の家族の姿を見る

2002年11月22日に、共同墓地「永遠(とわ)の杜」に埋めた。集落内に点在する墓地を集める、同自治会の長年の懸案を解決する大事業の完成記念事業だった。

カプセルの中に納められていた物を広げて展示。濡れてはいたものの、写真や手紙を入れた封筒や袋に書かれた持ち主の氏名は判別でき、自身や家族が納めた物を引き取っては持ち帰った。20年の間に亡くなった人に関係する品も多くあった。家族の写真と手紙を入れていた人が多く、録音テープやビデオテープもあった。1999年の夏の甲子園大会に福知山商業から出場した同自治会の元高校球児が入れたボールは、真っ黒に変色していた。

十倉優樹さん(36)は、先月亡くなった父親の幹男さんが納めた卒業証書を入れる筒を回収。濡れた筒を丁寧に破ると、20年前の幹男さんの写真や幹男さん自筆の手紙が現れた。「(家族)7人が元気で2020年を迎えられますように」「PTA会長も2年目です」などの文字に、「きれいな字を書いているなあ」と感心し、家族に見せるために写真を撮った。

墓地建設委員長を務めた十倉孝實さん(86)は「期待したような保存状態にならなかったことも歴史を感じ、面白い。社会の流れが早く、次の20年は想像つかない」とあいさつした。

豚汁や焼き鳥の振る舞いもあり、久しぶりの住民交流を和や

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