「出合えてラッキー」 南下中?のヒシクイが飛来 丹波地域では珍しい冬鳥

2023.01.20
地域自然

 

耕作放棄地に飛来したヒシクイ=兵庫県丹波市春日町石才で(佐野さん提供)

兵庫県丹波市春日町の佐野豊さん(79)が8、9の両日、同町石才の耕作放棄地で、国の天然記念物に指定されている冬鳥のヒシクイ(カモ科)の撮影に成功した。ユーラシア大陸北部などに広く分布、繁殖し、冬には南下して日本では東北や北陸などで越冬するが、兵庫県丹波地域で見かけるのは珍しいという。

体長は約80センチ。黒いくちばしの先端がだいだい色なのが特徴。環境省の絶滅危惧種Ⅱ類、兵庫県ではレッドデータBランクの希少種。

佐野さんは8日、耕作放棄地の枯れ草の中に数羽のカラスと共に大きな見慣れない鳥がいるのに気付いた。すぐに自宅へカメラを取りに帰り、再び戻ってシャッターを切った。画像を見直したところ、慌てていたため、ピントが合っていなかったり、気に入らない構図だったりしたことから、翌日、「まだいるかな」と、用事のついでに同じ現場に立ち寄ったところ、偶然にもちょうど舞い降りてきた。

昨年2月には同じ場所にコウノトリが飛来。7月ごろまで周辺地域を含めて“長居”していたコウノトリを毎日のように撮影して楽しんだ。以来、野鳥に関心が湧き、気にして周囲を見るようになったという。

「(9日は)ひょっとして、と思ったところにちょうど飛んできたので、本当にびっくりした。落ち合うことを約束していたわけでもないのに。2年続けて珍しい鳥に出合えてラッキーだった」と笑っていた。

野鳥愛好家で、丹波野鳥の会会長の梅津節雄さんは、「丹波地域で見られたのは珍しく、記録にない。冬鳥なので南下する途中で寄ったと考えられる。群れからはぐれたのかな」と話している。

 

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