包装紙のデザイン一新 高校生栽培の酒米使った清酒 取り組み紹介「ストーリーも味わって」

2023.01.03
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酒瓶用包装紙のデザインを手掛けた篠山東雲高の生徒と、鳳鳴酒造の吉﨑さん(右)=兵庫県丹波篠山市呉服町で

兵庫県立篠山東雲高校が栽培する酒米を使い、同県丹波篠山市呉服町にある酒造会社「鳳鳴酒造」が醸した清酒「田舎酒 純米 東雲の穂」の酒瓶用包装紙のデザインが一新された。農業を中心に学ぶ同校「アグリプロダクト類型」の3年生4人が製作した。酒米栽培を通して6次産業を学ぶ、5年目を迎えた「日本酒プロジェクト」の取り組みを紹介するデザインに仕上げた。

包装紙の大きさは縦60センチ、横45センチほど。表面は、3年ほど前の文化祭のポスターデザインに採用された、当時の生徒が描いたイラストを掲載。トマトを中心に描き、周囲にはカエルや牛、黒枝豆、パンなど、同校を象徴する生き物や食べ物などを散りばめている。

裏面は、各年の酒米栽培の様子を、写真と文章で紹介。種まきから田植え、草刈り、生育調査、収穫、収穫後の収量調査までを体験する中で感じた苦労や達成感などをつづっている。普段の学校生活を知ってほしいと、なるべく自然体な表情の写真を選んだ。

今年度は、「五百万石」「Hyogo Sake 85」の2品種を、それぞれ約70アールずつ栽培した。共に約2・5トンを収穫。JA丹波ささやまを通じ、同酒造へ出荷した。

中西駿太君は「読んでもらいやすいよう、やったことをなるべく端的にまとめた。自分は長文が苦手なので」と笑う。森田一志君は「作ってから売るまでのストーリーも一緒に味わってほしい」と呼び掛けている。

同酒造営業課の吉﨑健太さん(38)は「辛さもありながら飲みやすい。うちらしい純米酒に仕上がった」と話す。

一升瓶(1・8リットル)が2340円(税込み)、4合瓶(720ミリリットル)が1520円(同)。

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