あなたが小説に登場? 登場人物の命名権販売 読者参加型「もしかして世界初かも」 ミステリー作家がクラファンで

2023.02.18
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登場人物の命名権などをクラウドファンディングで販売している瞬那さん=兵庫県丹波市で

昨年、文壇デビューした兵庫県丹波市の小説家、瞬那浩人さん(62)が出版社とタイアップし、5月ごろに出版を予定するミステリー小説の登場人物の命名権などを販売している。インターネットを経由するクラウドファンディングを活用するもので、集まった資金を出版費用に充てる。主役や事件を追う刑事、“ちょい役”など、小説内での役割の重要度によって価格を変える。作中に社名や商品名などを登場させたりできる、企業向けの企画も用意している。瞬那さんは「読者参加型でつくる小説は、世界初かもしれない」とほほ笑み、「面白がってくれる人がいればうれしい」と話している。

犯人当てを楽しむ小説「家出少女は危険すぎる」。家出した女子高校生を探すため、大学生カップルが事件を追うという展開。殺人事件も絡む謎を解決できるか―というストーリー。

大学生カップル、女子高生、主要刑事の計4人の主役級は5―8万円。配役は選べない登場人物は8000円から販売する。ペットの犬や猫の名前も決められる。

小説に社名や商品名を登場(1万5000円)させたり、巻末に1ページを使って会社PRができる企画(7万円)もある。写真や挿絵を登場させる権利もある(1万円)。

平成出版(東京)から出版する。瞬那さんが完成済みの同小説を同社に売り込んだところ、企画の提案を受けた。瞬那さんは「冒険心もあってオファーを引き受けた。無名の作家なので、失うものはない」と笑顔。「読者と一緒に小説を作れれば」と話している。

3月30日まで。詳細はクラウドファンディングのサイト「CAMPFIRE」で検索を。

瞬那さんは昨年、ミステリー小説「下弦の月に消えた女」(セルバ出版)でデビューした。

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