ごみ袋半額化請願「不採択」 市民9000人超の署名も 県内で一番”高価”なまち

2023.03.20
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兵庫県内で最も高い丹波市の燃やすごみ用袋の半額化(大袋80円を40円に)を求め、市民有志でつくる「丹波市『燃やすごみ袋』の半額化を求める市民の会」が垣内廣明市議会議長に提出した請願書の審査が、民生産建常任委員会(大西ひろ美委員長、9人)で行われ、採択4人、不採択4人の可否同数となり、大西委員長の裁決で不採択とした。市民の会は、この日までに9663人分の賛同署名を届けた。

燃やすごみ用袋を半額化する議案は、市が一昨年、昨年と2度にわたって提案したが、いずれも市議会で否決された。昨年9月の値下げ議案への賛否判断から、考えを変える議員はなかった。

燃やすごみの減量化の進捗状況を聞くため、市当局を招いた。市は2月末時点の今年度の燃やすごみ量は、昨年度同期比で約765トン減とした。市民1人当たりの燃やすごみ量も、2月末で今年度の排出目標を下回る614グラムと報告し、順調な減量を強調した。

さらに、新年度に家庭から出る剪定枝の受け入れを予定していることや、2024年度のプラスチック製品の分別回収開始で、減量化を加速させると示した。

「市当局が減量化は順調と言っている。これだけ多くの賛同署名が集まり、これを不採択とするのは(市民の)議会に対する信頼を失いかねない」などと採択に賛意を示す意見があった。一方で、順調に進む市の減量化施策を引き続き見守るべきとし、現状では請願の採択に否定的な意見を述べる議員もいた。

採決の結果、可否同数となり、判断を委ねられた大西委員長は「不採択」と表明。大西委員長は取材に、「可否同数の場合の『現状維持の原則』に従った」と述べ、その上で「現在、燃やすごみ用袋とプラスチックごみ用袋に価格差があるから、市民の分別意識が高まり、減量化が進んでいると考えている」と話した。

傍聴した「市民の会」のメンバーの女性は、「がっかり。議員は市民の思いを分かっていないのか」と憤った。同会の男性は「採択されるものと思っていた。市民はここまで減量をしてきたのに、反対した議員は市民を信用していない」と語気を強めた。

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