マルシェの”店主”は小学生 商品準備から販売まで体験 「学校ではできない社会勉強を」

2023.03.14
地域

販売予定の手作り商品などを本番さながらに並べ、来場を歓迎する川田さん(中央)、山田さんと、キッズフリマを企画した金崎さん=兵庫県丹波篠山市西本荘で

兵庫県丹波篠山市にある旧雲部小学校を活用した複合施設、里山工房くもべ(同市西本荘)で18日午前10時―午後3時に開かれる「くもべマルシェ」(同実行委員会主催)で、共に雲部地区在住で城東小学校5年の山田茉穂さんと川田彩夢さんが出店する。同マルシェ代表の金崎美和さん(44)=同市=が「楽しみながら、学校ではできない社会勉強を」と、小学生が主役となるキッズフリマブースを初企画。2人は、商品の準備から値段設定、接客、販売までの全てを体験する。

キッズフリマの出店時間は午前10時半―正午。山田さんは切り取った牛乳パックに和紙を巻いた箸置きを、川田さんは羊毛を使ったフェルトボールで手作りしたヘアゴムを販売する。山田さんの祖母が和紙を使って手作りしたふくさ、使わなくなった食器や服、アクセサリーなども並べる予定。

山田さんは「心を込めて作った。家で使ってもらえたらうれしい」とはにかみ、川田さんは「小さい子からおばあちゃんまで、誰が着けてもかわいい色合いを意識した」とほほ笑む。

ハンドメイド作家の金崎さんは「まさか1回目から商品を手作りしてきてくれるとは。大人から見てもかわいいし、センスがある」と舌を巻く。

値段設定は「自分が買いたいと思うぐらい」で考えている。「マルシェで、スイーツの『クロッフル』が買えるぐらい売るのが目標」と2人。「ドキドキするけど、楽しみの方が強い。声を出してたくさんの人を呼び込みたい」と意気込んでいる。

コミュニケーション能力の育成やお金の勉強などが狙い。金崎さんが同地区内の小学5、6年生に出店を呼び掛けた。2人は親の後押しも受け、「なかなかない機会」と手を挙げた。2人の店のそばには保護者が付き、見守る。

金崎さんは「この取り組みを定着させて、いつかは子どもだけの『キッズマルシェ』ができれば」と夢を描く。「地区の過疎化が進む中、子どもたちは未来の宝。子どもの活躍で地区が盛り上がり、『ここで子育てをしたい』と根付いてくれるママたちが一人でも出てきてくれたら」と願っている。

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