後継に焼き物の”バトン” 現職が当選の新人に託す 兵庫県議選の報告会で

2023.04.16
地域選挙

丹波焼製のバトンを大上氏に託す小西県議(左)=兵庫県丹波篠山市二階町で

今月9日に投開票された兵庫県議会議員選挙の丹波篠山市選挙区(定数1)で初当選を果たした無所属新人で前市議の大上和則氏(56)。同日夜に開かれた選挙報告会では、今期限りで引退する小西隆紀県議が、丹波焼製の「バトン」を大上氏に手渡し、名実ともに後を託す演出を披露する場面があった。

壇上に立った小西氏は、「2年前、選挙に出ないと考えてから後継を探し、1年半前、大上君に思いを伝えた。そして、この日を迎えることができた。感無量です」と振り返った。

その後、先に大上氏があいさつで「バトンを受け取った」と述べていたことに触れ、「バトンを受け取ったと言ったが、まだ渡していません。これから渡します」と言い、「行動は明日のために―力強いふるさとづくり」と、自身のスローガンが書かれた丹波焼製のバトンを披露した。

日本六古窯の一つ「丹波焼」の窯元でもある大上氏が「同市今田地区の市議として地元の思いを裏切れない」と、一度は後継の誘いを断ったエピソードを紹介しつつ、「(丹波焼の窯元が)心を込めて作ってくれた。今田の思いも入っている」と言い、「お願いします」とバトンを託した。大上氏は、「ありがとうございます。頑張ります」と重いバトンを両手で握りしめていた。

制作したのは小西県議の同級生で「丹山窯」の森本芳弘さん(57)。森本さんは、「小西君は丹波篠山のためによく働いてくれた。そして、その思いをつなぐバトンに丹波焼を選んでくれてうれしい。丹波焼も丹波篠山の特産ということで気を使ってくれたのかも」とほほ笑み、「大上君は市議の時も一生懸命やってくれていた。県議の仕事はより広域になるので、市内全域でバランス良く取り組んでもらえたら」と期待を寄せていた。

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