丹精10年のフジ見ごろ 風に揺れる紫の花穂 運動場に40メートル

2023.05.07
地域

10年かかり見応えのある姿に育った長さ40メートルのフジ棚と、設置を発案した足立広司さん=2023年5月2日午前10時59分、兵庫県丹波市青垣町大名草で

1級河川、加古川の起点の銘板がある兵庫県丹波市青垣町大名草の運動場「宮前広場」のフジが、見頃を迎えている。苗を植えてから10年の歳月を経て、長さ40メートルのフジ棚がそれらしい姿になった。紫色の花穂が風にゆらゆら揺れる様が国道427号から見え、通りすがりのドライバーらが見物に立ち寄っている。

全国的に有名な白毫寺(同市市島町)の九尺フジの見事なフジ棚に感銘を受けた同自治会の足立広司さん(82)が発案。自治会から助成を受けて苗を13本買い、高齢者グループ「健笑会」で鋼管を組んで棚を作った。花穂が九尺(約2・7メートル)伸びてもいいようにと、棚の天井の高さは3メートルにした。開花前と、花が終わった後に肥料を与えている。

運動場の縁に沿うように組んだ鋼管を、年々伸びたつると葉が隠すように。今年は特に生育が良く、端から端まで緑色に包まれた。棚の真ん中に桜の木があり、日照不足でそこだけ穴が開いたようになっている。

「あんたが生きとってん間にきれいな棚になるかな、と言われていたけれど、生けっとる間に見られて良かった」と足立さん。「今年の花の長さは、1・5尺くらい。九尺になったらええけどなあ」と、立派に育った花に目をやった。

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