9月9日の「重陽の節句」に合わせ、兵庫県丹波篠山市西新町にある武家屋敷安間家史料館で節句にちなんだ催しが行われている。重陽の節句の行事の一つ「被綿」の体験コーナーを開設。節句の内容を紹介するパネルなども展示している。18日まで。
被綿は、菊の花に真綿を被せ、一晩、夜露と菊の香りを染み込ませて体をぬぐうもので、長寿や無病、若さを保つことができるとされる日本独自の風習という。
古来、中国では陰陽思想から、奇数は「陽」で縁起が良い数、偶数は「陰」で縁起の悪い数と考え、奇数の中で一番大きな数の「9」が重なる9月9日を「最も縁起が良い日」とした。また、旧暦(10月中頃)では、菊が咲く季節であることから、「菊の節句」とも呼ばれている。
同施設は、「紫式部も被綿を贈られて喜んでいる。あまり知られていない節句ではあるけれど、ぜひ伝統文化を感じてほしい」と話している。