端切れ再利用し土のう開発 災害時に使いやすく 「SDGs」貢献に縫製会社考案

2024.11.27
丹波の豪雨災害丹波市地域注目

園児服の生産工程で出る端切れを使って開発した土のうをアピールする竹内さん(右)と従業員=兵庫県丹波市山南町大河で

園児服の縫製加工などを手がける会社「タケウチ未来製工」(兵庫県丹波市山南町大河)が、生産工程で出る端切れを再利用した土のうを開発した。防水機能を備え、豪雨などの災害時に繰り返して使用できる。近く販売を始める予定で、同市内の公共施設などでの配備を目指す。同市商工会によると、端切れを生かした土のうは国内初という。

「ecoリサイクル土のう ミライエ」。中に水が入らないポリエチレン袋に端切れを詰め、さらに砂袋を入れて重さ11―12キロ程度に調節。一般的な土のうよりも軽く、女性や高齢者でも持ち運びしやすい。耐候性にも優れ、長期間保管できる。保管カバーも水をせき止める幕として使える。

同社は、生産工程で年間約2トンの端切れが出ることから廃棄に苦心していた。同社代表取締役の竹内真泰さん(51)が消防団員として活動する中で、現場で土のう袋に土を入れる作業に苦労した経験もあり、持続可能な開発目標(SDGs)に貢献できる環境に優しい土のうを考案した。

今後、市などと連携し、市内の公民館や小学校などで配備を進めたい考え。市のふるさと納税の返礼品の一つとしても並ぶ予定。

竹内さんは「ごみになってしまう端切れを循環させることで処分代も削減できる。どこで大きな災害が起きてもおかしくない。命や家財を守るために役立つ商品になれば」と話す。40個で約16万円。

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