兵庫県丹波市山南町の吉田桃子さん(46)が手作りで生産販売している「あずき枕」「あずきカイロ」が、「温まる」と評判を呼び、冷えを取りたい女性らを中心に愛用者が増えている。使った人からのリクエストに応えて増えたバリエーションは4種類。プレゼントに贈る人もあり、販売から約1年あまりで150個以上が売れている。
自然素材(綿・麻)の袋状の布の中に「小豆」が入った商品。600ワット以下の電子レンジで約2分間温めて使用する。小豆の中の水分による水蒸気を利用して温熱効果を得る。
作り始めたきっかけは、一昨年、高齢の愛猫が低体温症になったことだった。食事も取れなくなり、猫のために体温を上げる方法を一生懸命調べるうち、小豆枕にたどり着いた。猫の腹部に添わせて使えるよう、羽を広げた「鳥」の形に縫製した小豆枕を作って使ったところ、体温が上がり、食欲も戻ったという。
この効果を知った友人から「作ってほしい」と依頼を受け、販売することに。婦人科に勤める友人から「鳥のデザインが『子宮の形』に見える」と言われたことで、生理痛を和らげるには下腹部を温める方法があることから、生理痛に悩む人にぴったりだと気付いた。
その後、「手で持つカイロタイプがほしい」、「肩に乗せられるものがほしい」、「足先に使えるものがほしい」と、寄せられたリクエストに応えパターンを追加。「鳥」のほか、「象」「猫」「キツネとタヌキ」(足先用)が誕生した。
首や鎖骨の辺りにあるツボを温められるよう形を工夫し、見た目のかわいさだけでなく、機能性にもこだわりが詰まっている。吉田さん自身も効果を実感しているといい、「体を温めることで、肩こりや首の痛み、生理痛などの改善にもつながる。体温を上げて、免疫力も高めてほしい」と自信を持って勧める。
商品は繰り返して使うことができ、1年を経た商品の小豆の入れ替えも行っている。また、夏場には冷やして使うと吸熱効果がある。
小豆は北海道産を使用しているが、丹波市が大納言小豆の産地であることから、「ゆくゆくは丹波産使用の商品を作りたい」と構想している。
価格は「象」(小豆500グラム入り)4700円、「鳥」(同300グラム入り)3000円、「猫」(同100グラム入り)1200円、「キツネとタヌキ」2個セット(同各50グラム入り)2200円。
「うるうや」の公式LINEか、インスタグラムのメッセージで注文可。吉田さんが洋服お直しの出張出店を行っている雑貨店「mimosa house(ミモザハウス)」(同市柏原町下小倉、木・金・土・日曜、祝日営業)でも注文できる。