散歩しながら吸い殻拾い 保護犬と美化に貢献 「健康的で道もきれいに」

2025.02.10
丹波篠山市地域地域注目

散歩がてら吸い殻を拾い続けている山内さん(右)と西山さん。きっかけは愛犬のレオ=兵庫県丹波篠山市糯ケ坪で

兵庫県丹波篠山市の西山洋子さん(84)と山内恵子さん(58)は、早朝の散歩がてら、毎日、周辺に落ちているたばこの吸い殻を拾っている。散歩中の山内さんの愛犬が吸い殻に興味を持ったのをきっかけに、「食べたら危ない」と、二人で拾い集めるようになって1年半が過ぎた。これまでに拾った吸い殻は数百本。拾っても、拾っても、また落ちる吸い殻に、「なんで捨ててんやろか」と憤慨しつつ、「健康にも良いし、美化にもなる。これからも続ける」とほほ笑んでいる。

1年半前、山内さん宅にやって来たトイプードルの「レオ」(雄、2歳)。仲良しの西山さんも一緒に、午前7時半から30分程度の散歩をするようになった。

ある日、レオが道端に落ちている吸い殻をくわえた。「あかん、毒やで」―。以来、散歩をしながら、吸い殻を拾うようになった。西山さんは、「これまで気にしていなかったけれど、こんなにたくさん落ちていたなんて気づかなかった。落ちていない日もあれば、10本以上の日もある。雨の日は地面にへばりついているから取るのが大変」としつつ、「おかげで毎日歩いて足が丈夫になった。健康に良いし、道もきれいになって良いことばかり」とほほ笑む。

レオはさまざまな事情で飼い主がいなくなり、動物愛護センターや民間団体などで保護されていた「保護犬」。先代の「チョコ」を亡くした山内さんのもとに知り合いを通じてやって来た。

「この子が来たから吸い殻が気になるようになったし、とっても大きな役割を果たしてくれた」と目を細める山内さん。一度は人との縁が途切れたレオが、再び縁を得て、はからずも地域の美化に〝貢献〟している。

二人は、「乾燥する季節。落ち葉に火がついて火事になったら大変。吸い殻捨てんとってね」と呼びかけている。

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