
堂東美穂さん
My助産師 当たり前に
地域に密着した母子保健活動を献身的に行い、業績が顕著であり、今後も活躍が期待される人に贈られる「母子保健奨励賞」を受賞。丹波篠山市が導入している、妊娠期から産後まで同じ助産師が継続してケアに当たる「My助産師制度」の事業化で中心的な役割を担ったことが評価された。「栄誉なこと」と喜び、「制度が当たり前にあるものとして根付くのは、まだまだこれから。お母さんたちや市民の皆さんとのつながりを支えていきたい」と前を向く。
同制度を希望する妊婦は母子健康手帳の交付時に担当助産師を決定。分娩する医療機関に関係なく、▽交付時の初回相談▽妊娠中期と後期の産前ケア▽産後ケアと赤ちゃん訪問―の最低4回、妊産婦と関わるほか、希望に応じて随時、相談に乗っている。
全国でも先駆的な制度が始まったのは2020年。中核病院が分娩を休止したことを機に市が産科検討会を立ち上げる中、地域の助産師が提案したのがMy助産師だった。アイデアで終わらせないため、市議会や市民への説明、制度を担う助産師の確保など、事業化の裏方として東奔西走。「絶対に市民のためになると感じた」
保健師として旧丹南町に入庁。自身も出産を経験し、「母」としての目線も大切にしながら、長く母子保健に携わってきた。
My助産師の利用は8割に上る。「今のお母さんたちはネットで調べがちだが、誰かが寄り添って相談できるというのはとても安心なこと」と言い、「授賞式では秋篠宮妃紀子様に『ずっと助産師がついてくれると安心ですね』と言ってもらえた」と喜んだ。54歳。