県農業賞を受賞 農家民宿経営の岡田さん 女性農業者をリード

2025.02.14
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経営する農家民宿の前で、県農業賞の記念品を手にする岡田かよ子さん=兵庫県丹波市氷上町新郷で

農家民宿「おかだ」を営む岡田かよ子さん(69)=兵庫県丹波市氷上町=が、今年度の県農業賞を受けた。2004年に農家民宿を開業し、食農教育を推進、誘客推進に貢献したほか、女性農業者のネットワークづくりなどに尽力した功績が認められた。

西宮市から故郷にUターンし、同民宿を20年経営。兵庫丹波生活研究グループ連絡協議会会長、丹波市農村女性組織連絡会会長、県女性農業士などを歴任した。女性農業者団体「丹波 根っこの会」の立ち上げにも携わった。2018年に「第1回農林漁家民宿おかあさん100選」認定(都市農山漁村活性化機構選定)を受けた。

夕食、朝食に自家栽培の季節の野菜を使った料理を提供する。環境創造型農業で黒大豆、丹波大納言小豆、大豆、ブルーベリー、季節の野菜などを栽培。現在は、栽培は娘に任せ、自身は手伝い。

「農家民宿と言うと、野菜しか出さないイメージがあるけれど、但馬牛を出すし、他にもその時にあるおいしそうなものを出す。満足してもらわないと」。朝食は、一汁三菜。焼き魚と卵焼きは定番。漬物は「並べる農家民宿が多いけれど、塩分の取り過ぎになるから出していない」と、栄養士のこだわりを見せる。

冬以外は宿泊の問い合わせがあり、土・日曜は埋まる。開業当初は農薬を使わない農業に興味を持つ客が多かったが、途中から、田舎暮らしをしたいと移住相談に来る人が増えてきた。

役を引き受けたり、人前で話したりするのは好きではなかったが、会議出席が気分転換になることもあった。今も人前に出るのが苦手な女性農業者は多い。「『副』に私が就くから引き受けて」と背中を押してきた。そのかいあって会議に代表で出席する女性農業者が、40―50歳代に若返った。「20年、30年続けられる人につなげられた」と喜ぶ。

後継者もでき、「もう引退」と思っていたが、兵庫で開く農家民宿の全国大会を丹波市に誘致できないかと考えている。「あちこち視察研修に行った。農家民宿は可能性がある。丹波市で取り組む農家がもっと増えてほしい。先進地の話を聞き、刺激を受け、全国のネットワークに加わってほしい」と願っている。

今年度の受賞者は4人。丹波市からの受賞は2021年の長尾安博さん(氷上町)以来。

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