兵庫県丹波篠山市池上の住民らが、地区内の篠山川の堤防に捨てられるごみの不法投棄に怒っている。量の多さに加え、ごみの中で目立つ発泡酒の空き缶が住民の大きな不安材料。同じ銘柄の缶ばかりで、住民らは、「同一人物の仕業で、車を運転しながら飲んで窓から捨てているのでは」と推測しており、「ごみを捨てられるだけでも困るのに、飲酒運転の可能性もあって怖い。やめてほしい」と憤慨している。
現場は京口橋から監物橋に向かう途中の100メートルほどの区間。堤防に多くのごみが散乱しており、水やジュースのペットボトル、スプレーの缶なども捨てられている。袋に入れられた缶も含めると、その数はゆうに100本を超える。状況から、京口橋から西進する車の窓から投げ捨てられているとみられる。
近くの住民は、「捨てているのはおそらく夜間で、ちょうど民家が途切れている場所。ばれたくないのやろ」と言い、「ごみはもちろん、アルコールを飲んだ人がこの辺りを車で通っていると思うと、非常に危険で恐ろしい」と危惧する。
地元の男性によると、捨てられ始めたのは、ここ2、3年のこと。見かねた住民らがこつこつ拾ってはいるものの、急な斜面なために全ては拾えず、日常的に捨てられるので、ごみは増える一方という。
住民らはすでに市や警察にも相談しているが、一向に投棄がやむ気配がない。男性は、「犯人が捕まってほしいというよりも投棄をやめてほしい思いの方が強い。このままエスカレートしていくことが不安」と言い、「もしも飲酒運転をして事故でも起こせば、取り返しがつかない。住民が気づいていることを知り、早くやめてもらうことが、その人の人生にとっても良いこと」と話している。
ごみの不法投棄は、個人の場合、5年以下の懲役もしくは、1000万円以下の罰金。両方が科せられることもある。また、車から捨てている場合は道路交通法違反にもなる。
飲酒運転は、呼気中のアルコール濃度によって「酒気帯び運転」「酒酔い運転」の2種類に分かれ、酒気帯び運転は3年以下の懲役または50万円以下の罰金。酒酔い運転では5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられるほか、それぞれに違反点数があり、行政処分として免許の停止や取り消しがある。