長い間、押し入れで眠っていたり、理由があって手放さざるを得なくなったりしたひな人形が、宿場町の面影を残す兵庫県丹波市青垣町佐治で“第二の人生”を過ごす「丹波佐治福よせ雛」(同実行委員会主催)が開かれている。4回目となる今回の展示テーマは「青垣の秋」。昨年より1カ所多い14の店舗などに飾られ、ひな人形が運動会をしていたり、スポーツに興じていたりと、いきいきとした姿で来場者を出迎えている。3月23日まで。
例年通り、名古屋市発祥で各地に広がる「福よせ雛プロジェクト」に参加した。人形は、同市の事務局から提供してもらったものをメインに、地域住民が提供したものなど計800体ほどが並ぶ。
メイン会場の衣川會舘では、ひな人形による運動会を展開。赤、青、黄の各組応援団が見守る中、綱引きやリレー、玉入れ、パン食い競争、玉転がしなどの定番競技を楽しむ姿を表現している。入場門や退場門、テント席などを手作りして臨場感を出し、“学ラン”を着た応援団の姿もあり、来場者を楽しませている。
「本町の家」では、スポーツの秋を表現。おもちゃの自転車でサイクリングを楽しんだり、テニスやモルックをプレーしたりする人形がほほ笑ましい。フライト場がある青垣地域らしいパラグライダーに乗った人形も。割りばしなどでこしらえられた三重塔や、紅葉したモミジの葉のレプリカが彩りを添え、深まる秋を表現している。
実行委員長の衣川百合香さんは、「おひな様が佐治のまちでいきいきと過ごしている雰囲気を楽しんでもらえれば」と来場を呼びかけている。
入場無料。午前10時―午後4時。展示会場によっては休館日を設ける所もある。