植物性の食材のみを使ったメニューを提供するビーガンカフェ「HINABI(ひなび)」が、兵庫県丹波市山南町和田にオープンした。水野愛子さん(57)と藤岡絵美さん(47)が経営。自然農の自家畑で採れた野菜などを使っており、二人は「体が喜ぶものを食べて元気になってもらえたら」と話している。
「人と動物と環境に優しい」が店のコンセプト。動物性のものは一切使用せず、調味料なども伝統的なものや無添加のものにこだわっている。
ランチ「HINABIプレート」のメインは、アフリカ原産の雑穀「タカキビ」を使ったハンバーグ、紫大根のステーキ、モチキビのレンコンはさみ揚げなど。他に6品の副菜とスープが付いて1600円。スイーツは、紫芋のタルト、カボチャのベイクドチーズケーキなど。他にキッシュやイングリッシュマフィンもあり、予約制で弁当のテイクアウトもできる。
水野さんは、2014年から神戸・岡本で野菜料理「ひなび」を開いていた。小学校教諭をしていた藤岡さんは趣味で長年、野菜を作っており、店に食材を届けるようになったという。コロナ禍での移転などを経て、畑と駐車場付きなどの条件に合った現古民家で新スタートを切った。
水野さんが料理、藤岡さんが畑の担当と、得意分野で“分業”。藤岡さんは、虫や微生物と共存する自然農を実践しており、安定して収穫できないこともあるが、食材に合わせた料理を得意とする水野さんが臨機応変にアレンジする。
スイーツに使うカシューナッツクリームは、乳製品のクリームよりも軽い口当たりで、生クリームが苦手な人でも食べやすいという。「“おいしい”が基本なので、ビーガンということをそれほど意識せず、“体に合う”と思ってもらえたらうれしい」と声をそろえる。
また、山南地域が江戸時代から薬草栽培が盛んな土地だったこともあり、「育てているハーブの量や種類を増やしたい」と藤岡さん。「3年以内をめどに田んぼも借りて稲作と麦の栽培もしたい」と夢を膨らませている。
住所は山南町和田83。営業日は金、土、日、月曜日。営業時間は午前11時―午後5時。ランチは予約優先。