春季兵庫県高校野球大会(県高校野球連盟主催)3回戦4試合が29日、姫路市ウインク球場と明石トーカロ球場でベスト8をかけて行われる。神村学園、創志学園時代に春夏6回の甲子園に導いた長沢宏行監督(72)率いる篠山産業は26日の2回戦で勝利し、同大会27年ぶりの16強入りを果たした。次戦は昨秋の県、近畿大会覇者でセンバツ出場の東洋大姫路。篠山産業4番の森本皓也主将(3年)は、2回戦で完投した東洋大姫路の木下鷹大投手(同)と氷上ボーイズ時代の同級生で、中学も同じ市島中。森本主将は「(同級生対決となれば)打ってやろう」と力を込める。
「野球がうまくなりたい。長沢監督のいる篠山産業しかない」と2022年秋の監督就任半年後に入部した森本主将。2回戦の福崎戦では、走者一掃の3塁打を放ち、コールド勝ちに貢献した。「森本を中心に酒井風雅(3年)、松本憲汰(同)の中軸が打てるようになってきた」と、長沢監督はのぼり調子の打線に手応えを感じている。
現在の3年生は、長沢監督が入学時から指導してきた最初の学年。1回戦の須磨学園戦、福崎戦で完投し、合わせて1失点というエース、西山幸希投手(同)も「伸びてきている」(長沢監督)と成長を感じている。ほかにも、2、3年生の3投手も控え、投手力に厚みを増している。
森本主将は「やってきたことが試合に出せた」と福崎戦を振り返り、「夏の第1シードを獲れたので、次戦は思いっきりやるだけ」と意気込みを見せる。福崎戦後、誕生日祝いの色紙を選手たちからもらった長沢監督。「色紙と勝利という、うれしいプレゼントをもらった」と喜び、「ベスト8を懸けて戦う高いステージで、強豪と戦えるのは、夏に向けて良い経験となる」と話している。
篠山産業―東洋大姫路戦は29日午後1時から姫路市ウインク球場で行われる予定。
同校野球部の創部は1949年。最高成績は今春を含め、1982年夏、2012年夏の計3回のベスト16。