兵庫県丹波市の氷上西高ボクシング部の田村優奈さん(3年)が、大阪府泉大津市で開かれた「全国高校ボクシング選抜大会兼JOCジュニアオリンピックカップボクシング大会」の女子ピン級で準優勝した。高校1年時から全国大会に進むものの結果が残せなかった。初めての銀メダル獲得に笑顔を弾けさせた。
女子最軽量のピン級(45キロ)に10人が出場。田村さんは1回戦シード、2回戦は相手が棄権、準決勝から登場した。大阪府の選手を相手に、自分から積極的に仕掛け、的確にポイントを奪い、4―1の判定勝ち。「得意の左のジャブが良かった」と振り返った。決勝は、内側に飛び込んで激しく打ち合う北海道の選手に手を焼き、判定で敗れた。
「全国大会で1回戦負けが結構あった。1つも勝たずに帰るのは嫌だった。決勝に行けたのがうれしい」と喜んだ。
地元に女子の練習相手がおらず、胸を借りる出げいこ先の友人がみな強く、大会で上位に入る。自分だけ蚊帳の外ともどかしい思いを募らせ、「いつか自分も」の思いを強く持っていた。
今大会は5階級あり、3キロほど減量し、最軽量級を選んだ。夏のインターハイ予選は3階級。最軽量のライトフライ級(48キロ以下)に出場する。「レベルが高いので、一戦一戦大切に戦いたい」と抱負を語った。
父の俊さんが営むジムで週5日、汗を流す。部員は1人。入学時に部の創設を申し出た。部活動でなければ選抜、インターハイは出場資格がない。創部を認めた中西孝弘校長、顧問の藤田喜継さんが観客席から見守った。4月で異動した2人に活躍する姿を見てもらえ、「恩返しできた」と親子で喜んでいる。