5月5日の「端午の節句」に合わせ、兵庫県丹波篠山市安口出身の森田栄さん(69)=同県三田市=が4、5日、実家で代々受け継がれてきた約20体の五月人形や鯉のぼりを展示し、一般公開する。
同県丹波市の「稲畑人形」と「源氏若大将人形」の五月人形。稲畑人形は菅原道真や桃太郎、加藤清正などを、源氏―は、源義経とお供をかたどる。
代々、森田家に生まれた男の子に家族や親せきなどから贈られ、賢く元気に育つようにとの願いが込められている。人形の説明文には英語バージョンも用意した。
人形は最も古いもので江戸時代の作。支柱に立てるのが大変なため、軒下でまるで〝のれん〟のようになっている約4メートルの鯉のぼりは森田さんに贈られたもので、代々の願いが垣間見える。
ひな祭りは各地で展示があるが五月人形はあまりないことや、昔ながらの風習を伝えたいという思いで公開する森田さんは、「子どもは家の、地域の、国の宝だが、昔は無事に成長することが難しかった。だからこそ、『元気に育ってほしい』という願いが強く込められている。ぜひ見に来て」と来場を呼びかけている。