兵庫県丹波市柏原町の旧町花のバラにちなみ、柏原市街地一帯でバラ園を管理してきた有志グループ「かいバラ友の会」(荻野敦代表、9人)が解散した。解散に伴い、7カ所に造っていたバラ園のうち、JR柏原駅前と欅公園を除き、バラを全て撤去した。丹精込めた世話で毎年きれいな花を咲かせ、開花の時期には町外からも見物客が訪れていたが、高齢化してきたメンバーの後を継ぐ人が見つからなかったという。
荻野代表(78)ら数人が「柏原を“バラの町”にしよう」と、16年ほど前に活動を始め、約12年前に同会を発足。多い時は町外の人も含め20人ほどの会員がいたが、最後は60―80歳代の9人だった。
管理してきたバラは、JR柏原駅裏2カ所、本町交差点そば、柏原自治会館など7カ所約1200本。月2回の全体作業、夏と冬の剪定、3―10月は週1回の消毒を行ってきた。8年ほど前からは柏原自治協議会から苗、肥料、消毒剤などに補助金が出たが、作業は全てボランティアだった。
「我流で栽培方法を勉強し、姫路のバラ園にはよく行った」と荻野代表。バラの知識が深まり、友の会主催で、講習会を開くまでになっていた。荻野代表は「何とか作業の時間給を出せるようにしたかったが、難しかった。後継者が見つからず、余力のあるうちに撤収することにした」と残念そうに言い、「JR柏原駅前と欅公園のバラは、できれば今後も残しておきたい」と話していた。