パプアニューギニアの民族美術の多様性と、現地の文化や暮らしを紹介する「パプアニューギニア民族美術の世界」(兵庫県丹波市教育委員会など主催)が、植野記念美術館(兵庫県丹波市氷上町西中)で開かれている。大阪・関西万博の開催と、同国と日本が国交を樹立して50年になるのを記念した企画展。独特の造形をした仮面や像など約100点を展示している。5月25日まで。
展示は2つのコレクションからなる。一つは、1970年の大阪万博の際に世界中から収集され、国立民族学博物館(大阪府吹田市)に伝わっているパプアニューギニア関連の民俗資料で、仮面や神像などが多いことが特徴。いずれも同万博期間中、「太陽の塔」の地下に展示された。
もう一方は、同美術館を創設した故・植野藤次郎さんが収集したもの。植野さんは78、79年、「エンバ探検隊」を組織し、同国などの民族美術作品を集めた。特に土器類を多く収集した。
「シンシン」という儀礼の際に頭からかぶって使用される仮面は、ブタがモチーフとされる。奥行きが180センチ以上あり、製作に1カ月以上かかると伝わっている。
高さ180センチある神像には台座が付いており、一般的に集会所に置かれるという。儀礼の際、語り手が台座には座らず横に立ち、祖霊が乗り移った状態で人々に語りかけるという。
午前10時―午後5時。月曜休館(月曜が祝日の場合は開館し、翌平日が休館)。