当たり前にありすぎるけれど、住民が大切にしていきたいもの「世間遺産」―。丹波新聞では、兵庫県丹波地域の人や物、景色など、住民が思う”まちの世間遺産”を連載で紹介していきます。今回は、兵庫県丹波篠山市中野の「味間ふれあい館・丹南児童館」です。
年間延べ1万人弱が利用する丹波篠山市内唯一の市立児童館。18歳未満が利用でき、子どもたちが室内の遊具や、併設する児童遊園で遊んだり、長期休暇に中学生がおしゃべりを楽しんだりしている。住民交流拠点「味間ふれあい館」が隣接。講座や交流事業、会合のほか、9サークルが活動拠点にするなど、こちらも活発。年間延べ約7000人が利用している。互いに連携して事業を行うこともあり、相乗効果で利用者が増えている。
ふれあい館でフォークダンスを楽しむ河本栄子さんと熊内千鶴子さんは「気軽に借りることができ、広くて、ダンスをするには最高の場所」と言い、児童館をよく利用する小学3年生は「人形のごっこ遊びや巨大ブロックでおうちを作るのが好き」と笑顔。毎学期末の終業式後に開く子ども参加の催しには、篠山産業高校インターアクト部がボランティアで参加。山本奏太部長(3年)は「子どもたちの笑顔がやりがい」とほほ笑む。また、児童館の運営を支える「中野母親クラブ」(25人)もこの催しを企画したり、乳幼児と保護者対象に人形劇やお話会を催したりしている。代表の谷口寿子さん(61)は「子育てを終え、なかなか触れ合う機会がない子どもたちと触れ合うのが楽しい」。