兵庫県丹波篠山市内の里山に笛のような美しいさえずりが響き渡る。くちばしを大きく開けて、「ピィーピッ」と歌っているのは、夏鳥の「キビタキ」だ。
全長14センチほど。雄は眉斑、腹部と腰は黄色で、頭から背面にかけて黒色、お尻のあたりは白色と、華やかな色合い。暖かくなると東南アジアなどから飛来することから、地域に初夏の訪れを告げる。
学名は「ナルシシナ」。体の色が水仙(学名・ナルキッソス)を思わせることから。ギリシャ神話に登場し、湖面に映り込んだ自分の美貌に魅せられ、恋焦がれたまま水仙に姿を変えた美少年に由来する。ナルシストの語源だ。
すでに暑いほどの気候だが、毎年、キビタキのさえずりを聞き、その姿を写真に収めてこそ、「夏が来る」と思う。そして、「なっつがくっる~」とメロディー付きで口ずさむことも毎年のルーティン。
キビタキが歌う夏のメロディー。緑が萌え、生き物たちの活動が活発になっていく夏が目の前だ。
【丹波新聞鳥部】(※コメント欄より、弊社の活動を命名していただきました)
↓さえずりはこちら